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【労務管理】休職制度とは


休職制度は、労働基準法で定められたものではなく、会社が独自で定める制度です。

会社が独自に定める制度なので、内容はそれぞれですが、一般的に「労働者が業務外の理由で一時的に労働ができなくなった場合、すぐに解雇せず、会社が定めた期間、在職扱いとする」ケースが多いと思います。

長らく日本では終身雇用制度が定着していたので、病気やケガなどで一時的に働けない従業員の雇用を守るために利用されてきた制度と思います。


近年では、リスキリングなど能力開発のための休職制度が設けられている会社もあるようです。

少し前の調査ですが、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「労働条件の設定・変更と人事処遇に関する実態調査-労働契約をめぐる実態に関する調査(Ⅱ)-」(2004年11月22日~12月10日実施)によると、

何らかの休職制度のある企業(「病気休職」「自己啓発休職」「起訴休職」「事故欠勤休職」「出向休職」「その他(専従休職等)」のいずれかを選択した企業。以下同じ。)の割合は、69.3%となっており、休職は法律上の制度ではないものの、多くの会社で取り入れられている制度だと言えます。

従業員を一定期間休職させる制度や慣行の状況(複数回答、%)

  • 「私傷病による休職(病気休職)」69.1%
  • 「自己都合による長期欠勤のための休職(事故欠勤休職)」37.4%
  • 「刑事事件で起訴されて就業ができないときの休職(起訴休職)」が20.1%
  • 「留学など能力開発のための休職(自己啓発休職)」が12.5%
  • 「従業員の他社への出向期間中になされる休職(出向休職)」7.2%
  • 「特にない」28.7%

モデル就業規則による休職規定

厚生労働省労働基準局監督課が出しているモデル就業規則(令和5年7月版)では、休職について次のように書かれています。(※読みやすいように空欄を●に書き換えています)

(休職)
第9条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
① 業務外の傷病による欠勤が●か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき  ● 年以内
② 前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき  必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。

3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

【第9条  休職】

1 休職とは、業務外での疾病等主に労働者側の個人的事情により相当長期間にわたり就労を期待し得ない場合に、労働者としての身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱いをいいます。なお、本条第1項第2号の「特別な事情」には、公職への就任や刑事事件で起訴された場合等が当たります。

2 休職期間中に休職事由がなくなった場合は、当然に休職が解除され復職となります。

3 休職の定義、休職期間の制限、復職等については、労基法に定めはありません。

モデル就業規則(令和5年7月版)厚生労働省労働基準局監督課

メンタルヘルス不調による休職

厚生労働省の患者調査によると、精神疾患を有する総患者数は、2002年から2017年までの15年間で1.6倍も増加しているようです。
職場でも従業員のメンタルヘルス不調に対応する場面は増えていることと思います。

鬱病などの療養のために休職制度を使う場面において、一般社団法人日本産業保健法学会が公表している「産業保健職の現場課題に応える」Q&Aが参考になるのでご紹介します。

Q1
 適応障害やうつ病等の精神疾患のために休職している従業員が、休職期間中に趣味の活動(音楽活動や旅行等)をしていた場合、療養専念義務に違反し、会社から注意指導や懲戒処分の対象となり得るでしょうか。

A1
総論
 休職期間中に趣味の活動をしていることをもって直ちに懲戒処分を行うことは適当でないことが多いと考えられますが、医療者の判断に従わせること、それに基づき、会社秩序の観点で注意指導を行うことは可能です。
 そのためにも、先ず就業規則上、療養専念義務、必要な場合の主治医への意見聴取、指定医等への受診、逸脱行動の可否を会社の許可制としておくことが重要です。

「産業保健職の現場課題に応える」Q&A 一般社団法人日本産業保健法学会

精神疾患での病気休業中、趣味の活動をしているのを同僚から見つかってしまい、波紋を呼ぶことがあるようです。
ただ、精神疾患での療養には≪趣味の活動が精神衛生上良い方向に働いて療養につながる場合≫があり、一概に療養遷延義務違反とはいえない場面があります。

趣味の活動が療養に繋がるのかどうか、その活動が療養するうえで良くないことなのかの判断は、労務担当のみですることは困難ですから、対応としては、
・会社側が休職者の同意を得た上で、主治医に照会する
・休職者の病状、活動制限等の指導内容及び趣味的活動による療養への影響等について確認する
ことが基本となるようです。

一般社団法人日本産業保健法学会では、就業規則や休職に入る際に手渡す書類のなかに、
「休業中は療養に専念し、回復した際の復職を円滑に進めるためにも、無用の誤解を招くような言動を行わないよう留意して下さい。逸脱行動をとる場合には、医師の許可を得るとともに、会社の許可を得てください」
といった一文を入れておくことを提唱しています。

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