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【派遣料金交渉について派遣元・派遣先のリーフレットが公開されました】


【派遣先は労働者の公正な待遇確保のため、派遣料金について配慮義務があります。】

厚生労働省から派遣元・派遣先会社に向けてのリーフレットが公開されました。

内容は「派遣労働者の公正な待遇確保のため、派遣元・派遣先の連携・協力をお願いします」となっています。派遣労働者の公正な待遇確保について、派遣元からの派遣料金交渉には派遣先も配慮を行う必要があります。(派遣法第26条第11項)、派遣先は派遣契約締結時だけでなく、更新時など、その後の時期にも配慮をする必要があり、派遣元からの交渉に対して一切応じない場合には行政指導の対象となり得ます。リーフレット発表の背景として、派遣賃金の労使協定方式では、近年、派遣労働者に支払うべき一般賃金水準が上昇傾向にあり、派遣元は法律により上昇した賃金基準額を派遣労働者に支払う必要があります。派遣元が賃金基準額の上昇により派遣先に派遣料金の賃上げ交渉を行うが、基準賃金の上昇分以下の賃上げにとどまることや、交渉のテーブルに着かないなど、派遣先が派遣元に対して不当な扱いを行う事例でも、派遣先からの仕事がなくなると困る派遣元が受け入れるしかない、と言うような状況等が考えられます。

派遣元会社からの適切な交渉要求に応じない際は、派遣先会社が行政指導の対象となる事を認識していない派遣先会社も多いと思われます。派遣先会社も派遣労働者の待遇に対して配慮義務を行う必要があることにご留意ください。

【労務管理】65歳以降の介護保険料、医療費の自己負担割合と在職老齢年金制度


65歳以降の介護保険料、医療費の自己負担割合、在職老齢年金制度についてまとめてみます。

介護保険料

40歳から64歳まで

40歳から64歳までは、介護保険第2被保険者として、健康保険料と一緒に介護保険料を納めます。
勤務先で社会保険に加入している場合、40歳から64歳までは給与から天引きされて支払うかたちになっています。

65歳以降

65歳以降は介護保険第1号被保険者となるので、勤務先から給与を支払われる場合でも、65歳以降は給与から天引きされなくなり、個人で介護保険料を市区町村へ納めるようになります。
原則として年金から天引きされますが、年金受給額が一定額未満等の場合は納付書で支払ったり口座振替をしたりするようになります。

医療費の自己負担割合

病院等を受診したときに支払う医療費の自己負担割合は、年齢によって次のように定められています。(令和7年3月1日時点)

6歳(義務教育就学前)未満自己負担割合2割
70歳未満自己負担割合3割
70歳から74歳自己負担割合2割、ただし現役並み所得者は3割。
75歳以上自己負担割合1割。
ただし、現役並み所得者以外の一定所得以上の人は2割。現役並み所得者は3割。
70歳から74歳の間

70歳から74歳の間の医療費の自己負担割合は、所得に応じて2つに別れています。

勤務先で健康保険に加入している場合

  • 標準報酬月額が28万円未満の方は、自己負担割合2割※
  • 標準報酬月額が28万円以上の方は、自己負担割合3割

※誕生日が昭和19年4月1日生まれ以前の場合の一部負担金等の軽減特例措置があります。

標準報酬月額というのは、勤務先で支払う社会保険料の基礎となる金額です。入社して初めて社会保険に加入した時や毎年の標準報酬決定の時などに勤務先から通知されます。

国保の場合

原則として住民税課税所得145万円以上の場合、3割負担になります。

※収入合計額による例外もあります。

また、3割負担に該当する場合、医療費が高額になった場合の上限額(高額療養費の自己負担限度額)が標準報酬月額や課税所得によって3つに分かれます。

画像は厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」より

75歳以上

75歳以上になると、医療費の自己負担割合は所得に応じて3つに別れます。

現役並み所得者住民税課税所得145万円以上
※収入合計額や生年月日による例外もあります。
自己負担割合3割
一定以上所得者住民税課税所得が28万円以上で、かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合200万円以上、後期高齢者が2人以上の場合計320万円以上自己負担割合 2割
※2割負担の場合、令和7年9月30日までは1か月の外来医療費の配慮措置があります。
一般住民税課税所得28万円未満(「一定以上所得」以外)自己負担割合 1割

3割負担に該当した場合、医療費が高額になった場合の上限額(高額療養費の自己負担限度額)は課税所得額によって3つに分かれます。

画像は兵庫県後期高齢者医療広域連合「後期高齢者医療制度のご案内」より

在職老齢年金(給与と老齢年金の調整)

老齢厚生年金は、受給権がある方は原則として65歳から受給できます。

老齢厚生年金を受給しながら働いている方が勤務先で厚生年金保険に加入している場合、給料と年金の合計額に応じて年金の支給額が調整される場合があります。

老齢厚生年金の「基本月額」と
「総報酬月額相当額」の合計が
「50万円」以下の場合
全額支給
老齢厚生年金の「基本月額」と
「総報酬月額相当額」の合計が
「50万円」を超える場合
次の計算式によって調整された額が支給されます。
基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2
  • 50万円は、令和6年度の支給停止調整額です。
  • 「基本月額」は、配偶者や子どもなどを扶養している場合に追加される「加給年金額」を除いた老齢厚生年金の報酬比例部分の月額です。
  • 「総報酬月額相当額」は、おおざっぱにいうと、その月以前1年間の年収を12で割った額のようなものです。具体的には、勤務先の標準報酬月額に、その月以前1年間に支払われた標準賞与合計額を12で割った金額を加えたものです。

その他、厚生年金基金に加入していた期間がある場合など別途細かい計算のルールが定められています。

支給額が調整されている場合は、「総報酬月額相当額が変わった月」や「退職日の翌月」に調整額の見直しとなります。退職して1カ月以内に再就職して厚生年金保険に加入した場合は調整額の見直しがされません。

【労務管理】育児時短就業給付金


令和7年4月1日から、雇用保険に加入している労働者が『2歳未満の子を育てるため』に『所定労働時間を短くして働いた』場合、賃金が低下するなどの一定の要件を満たすと「育児時短就業給付金」を受けられるようになります。

育児時短就業給付金の対象になる人

誰が『2歳未満の子を育てるため』に『所定労働時間を短くして働いた』雇用保険に加入している労働者
どのような場合育児休業給付を受けている育児休業が終わったあと、続けて、育児時短就業を開始した場合。
※ 育児休業が終わったあと、育児時短就業を開始するまでの間が14日以内の場合を含みます。

または

育児時短就業を始める前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月ある場合。
※賃金支払い基礎日数が11日以上ない場合は、労働時間数が80時間以上ある月もカウントされます。

育児時短就業給付金の対象になる働き方

労働者からの申し出によって1週間の所定労働時間を短くした場合に対象となります。
1日の労働時間は変わっていなくても、日数を減らしたため1週間の所定労働時間が短くなった場合も対象です。

また、変更後の所定労働時間に決まりはないので、個別のケースによってどれくらい短くしてもOKです。※
育児・介護休業法で決まっている所定労働時間の短縮措置のほか、短時間正社員やパートタイム労働者等になったことで1週間の所定労働時間が短くなった場合にも対象となります。

※短縮後の所定労働時間が週20時間未満となる場合は、子が小学校就学までに週20時間以上の所定労働時間となることが前提であると就業規則等の書面で確認できる場合のみ対象になります。

  • フレックスタイム制の場合は、清算期間の総労働時間を短くするときは対象になります。清算期間の総労働時間は変更しないで、単にフレキシブルタイムの勤務を行わずに勤務時間を減らす場合は対象になりません。
  • 変形労働時間制の場合は、対象期間の総労働時間を短くするときは対象になります。
  • 裁量労働制の場合は、みなし労働時間を短くするときは対象になります。
  • シフト制の場合は、実際の労働時間で1週間の平均労働時間を計算し、短縮されていることが確認できるときは対象となります。

育児時短就業給付金の支給額

原則として、育児時短就業中の各月に支払われた賃金の10%が支給額です。1カ月毎の給与がどれくらい減っているかによって支給率が変わります。

【原則】
支給対象月に支払われた賃金が、育児時短就業を始める前※の90%以下の場合
支給対象月に支払われた賃金額 × 10%

※育児時短就業を始める前の賃金は、育児時短就業開始時賃金月額と呼ばれるもので、計算方法が決まっています。
具体的には、育児時短就業を始める前の直近6カ月の賃金合計を180で割って30を掛けた額です。
育児休業給付を受けていた育児休業から引き続いて育児時短就業をした場合は、育児休業給付の計算に使われた日額で計算されます。

支給対象月に支払われた賃金が育児時短就業を始める前の90%を超えた場合は、調整された10%未満の支給額や限度額との差額が支給されるようになります。2025年7月31日までの支給限度額は459,000円です。

また、支給対象月に支払われた賃金が育児時短就業を始める前の100%以上の場合や、支給限度額以上等の場合には、給付金は支給されません。

支給申請

支給申請は、原則として2か月ごとに対象者を雇用している事業主がハローワークで行います。ただし、対象者が希望する場合は対象者自ら支給申請をしたり、1カ月毎に支給申請をすることもできます。

【ストレスチェックが全ての事業場で義務化の方針が決定】


【こころの耳 でメンタルヘルス対策を参考に】

厚生労働省は、これまでは努力義務であった従業員数が50人未満の小規模事業所に対しても、働く人の「ストレスチェック」を義務化する方針を決定しました。
具体的にいつから義務化されるかについては協議、検討が行われていきます。

全ての事業場でストレスチェックを行う必要が出てきた理由として、メンタルヘルス不調による患者が急速に増加していることが考えられます。最近は弊社でもメンタルヘルス不調の方が本当に増えたと実感しています。弊社の顧問先会社からも毎月のように「従業員が精神的な病で出勤できなくなった」とご相談を受けるようになりました。

厚生労働省のストレスチェック、メンタルヘルス対策のページで【こころの耳】というサイトがあります。

「こころの耳」は、働く方やそのご家族、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の方などに向けて、メンタルヘルスケアに関するさまざまな情報や相談窓口を提供している、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトです。

事業者向けにストレスチェック制度への対応、メンタルヘルス対策についや、働く労働者の方向けには、5分で出来るセルフストレスチェック、5分研修シリーズとして、働く労働者の方向けに「しんどいときに職場ですぐできるセルフケア」など短い時間の動画などがあり事業者側、働く労働者の方側にも有益なサイトとなっています。
メンタルヘルス不調を起こす原因は様々ですが、事業者の方はその対策や予防について、働く方は自身のストレスチェックやストレスを溜めない方法などについてご参考になると思います。

【労務管理】再就職援助計画とは


再就職援助計画とは

事業の縮小等で、一定期間内に相当数の労働者の離職が見込まれる場合、事業主は、離職する労働者に対して再就職の援助に努める義務があります。
事業主は最初の離職者が生じる日の1か月前までに「再就職援助計画」を作成してハローワークに提出し、認定を受けなければいけません。

政府は、認定された再就職援助計画に基づいて、労働者の再就職の促進のための取り組みをする事業主に対して必要な助成や援助を行います。また、該当する労働者の再就職の促進にも努めます。

再就職援助計画を作成しなければいけない場合

経済的な事情によって、『1つの事業所』で『1カ月に30人以上の離職者を生じさせる事業規模の縮小等』をしようとする場合に、再就職援助計画を作成する必要があります。
また、離職者が1か月に30人未満の場合にも、任意で再就職援助計画を作成することができます。

事業規模の縮小の理由には、事業の全部の廃止のほか、事業規模・事業活動の縮小や、事業の転換・再編が含まれます。

再就職援助計画に記載する内容

再就職援助計画に記載する内容は次のような内容です

  1. 事業の現状(事業所数や常時雇用する労働者数など)
  2. 再就職援助計画作成に至る経緯(具体的な理由)
  3. 計画対象労働者の氏名
  4. 再就職援助のための措置(労働者の再就職を援助するために事業主が何をするか)
  5. 労働組合等の意見

再就職援助計画対象労働者証明書

事業主が再就職援助計画の認定を受けると、ハローワークから対象労働者ごとに「再就職援助計画対象労働者証明書」が発行されます。
さらに、再就職援助計画の認定を受けた事業主が中小企業再生支援協議会等による事業再生・再構築・転廃業の支援を受けている等の一定の要件に該当する場合、ハローワークでは「再就職援助計画対象労働者証明書」に「特例対象者」としての記載をします。

「特例対象者」を雇い入れることは、雇い入れた再就職先の事業主が「早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)」を申請する場合に優遇助成を受けられる要件になります。そのため、特例対象者について就職促進が図られることになります。

再就職支援を行う事業主への支援策

再就職支援を行う事業主への支援策は次のようなものがあります。

  • 2025.2月時点の内容です。
  • 令和6年4月1日以降に提出された再就職援助計画等の対象者を雇い入れた場合。

早期再就職支援等助成金(再就職支援コース)

再就職援助計画を作成した事業主が、対象となった従業員に対して再就職の支援を行う場合に助成されます。

(1)再就職支援

離職する労働者の再就職支援を職業紹介事業者に委託し、一定期間内に再就職させた場合に、委託費用の4分の1~5分の4が助成されます。

さらに、再就職支援の一部として訓練を実施した場合の上乗せ(訓練加算として訓練実施にかかる委託費用×2/3の額。上限10万~50万円)や、再就職支援の一部としてグループワークを実施した場合の上乗せ(グループワーク加算として3回以上実施で1万円)があります。

1事業所につき1年度500人が上限です。

画像は厚生労働省HPより
(2)休暇付与支援

離職することが決まっている労働者に求職活動のための休暇を与えた場合、休暇1日当たり5,000円(中小企業の場合は8,000円)が助成されます。上限180日分。

さらに、対象者が離職の日の翌日から1か月以内に再就職できた場合、1人につき10万円が加算されます。

(3)職業訓練実施支援

再就職のための訓練を教育訓練施設等に委託して実施する場合、訓練実施にかかる委託費用の4分の3が助成されます。上限額10万~50万円。
賃金助成は1時間あたり960円(中小企業以外は480円)です。

※助成金の申請にはその他細かい要件があります。事前によく要件をご確認ください。

早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)

再就職援助計画の対象者等を、離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として新たに雇い入れ、前の賃金よりも5%以上上昇させた事業主に助成されます。

早期雇入れ支援
  • 通常助成・・・支給対象者1人につき30万円が支給されます。
  • 優遇助成・・・「特例対象者」を雇い入れた場合、支給対象者1人につき40万円が支給されます。
人材育成支援

早期雇い入れ助成の対象者に、雇い入れ日から6か月以内にOFF-JTやOJTの訓練をした場合、次の額の賃金助成や経費助成が上乗せされます。

画像は厚生労働省HPより

※助成金の申請にはその他細かい要件があります。事前によくご確認ください。

出向・移籍のマッチング支援(公益財団法人産業雇用安定センター)

公益財団法人産業雇用安定センターで、事業主に対する出向・移籍に関する相談・マッチングなどの支援や、雇用調整の対象となった従業員にキャリアコンサルティングやアドバイスを行って貰えます。センターの利用は無料です。

【労務管理】退職や解雇についての証明書


退職証明書

労働者が退職する場合で、労働者から次の内容の証明書を求められたときは、使用者は遅滞なく「退職証明書」を作成して交付しなければいけません。

  • 使用期間
  • 業務の種類
  • その事業における地位
  • 賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)

なお、労働者の請求しない事項は記入してはいけません。

※ひな形のご利用は、利用者自身の責任において行ってください。ひな形のご利用により生じたいかなる損害についても、一切の責任を負いません。

解雇理由証明書

労働者を解雇する場合で、解雇予告日から退職までの間に労働者から『解雇の理由』について証明書を求められたときは、使用者は遅滞なく「解雇理由証明書」を作成して交付しなければいけません。


なお、退職日以降に解雇の理由について証明を求められた場合は、退職証明書を交付します。


また、解雇を予告した日以降に、労働者が解雇ではない理由で退職した場合には、その労働者の退職日以降は解雇理由証明書を発行する必要はありません。

※ひな形のご利用は、利用者自身の責任において行ってください。ひな形のご利用により生じたいかなる損害についても、一切の責任を負いません。


※労働者の請求しない事項は記入してはいけません。
※解雇理由証明書は、解雇の有効性を判断する上で重要な証拠となります。慎重に作成してください。
※解雇の理由は客観的に合理的で、社会通念上相当であると認められる必要があります。

解雇通知書

解雇は口頭で伝えることもできますが、労働者に正しく伝わらないことによるトラブルを避けるためにも、文書で伝えることをお勧めします。

なお、労働者を解雇しようとする場合は、少くとも解雇日の30日前までに予告をしなければいけません。
30日前に予告をしない場合は、30日よりも少ない日数分の平均賃金(解雇予告手当)を解雇する日までに支払う必要があります。
ただし、火災や震災などの自然災害によってどうしても事業の継続ができなくなった場合や労働者の重大または悪質な行為で解雇する場合で労働基準監督署から解雇予告除外認定を受けたときは、解雇予告手当を支払う必要がありません。

 

※ひな形のご利用は、利用者自身の責任において行ってください。ひな形のご利用により生じたいかなる損害についても、一切の責任を負いません。

【令和7年度対応 派遣労使協定のイメージが更新されました】


【労働局でも労使協定に不備がないか指導強化していく方向です】

令和7年1月31日に令和7年度対応の労使協定イメージが公開されました

労使協定記載方法に大きな変更点は特に無く、昨年度より変更となった交通費を基本賃金に含めて支給する場合の額が72円から73円に変更になった点や、令和6年から令和7年への表記変更、一般賃金額を令和7年度に反映して計算された別表などが変更点となっているようです。

令和7年度の労使協定を作成する際にはこちらのイメージを参考にして、自社の昨年度の労使協定との変更点を注視してみてください。

また、東京労働局の発表では、派遣労使協定の賃金額に不備がないか指導強化しているとの発表もありました。新設した手当などに不適切な会社がみられるとのことで、今後は集団指導等で呼びかけを強化していくとのことです。

労使協定方式で定めた賃金は、有効期間中の派遣労働者の賃金額を決定する事となり派遣労働者の生活に直結する極めて重要な部分であることから不備の無い金額設定にしなければなりません。恣意的に賃金額を下げて設定することはもちろん、派遣会社が理解せず不備がある場合も是正指導の対象となります。

労使協定方式の派遣労働者の賃金額は、毎年更新される「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(一般賃金)の額」と同等以上でなければならない事から毎年の見直しが必要になります。派遣業の許可を取得した会社様でも、労使協定をどう作成すればよいのか?これで問題なく作成できているのだろうか?と、悩まれている会社様もいらっしゃると思います。弊社では労使協定作成においてもサポートする顧問契約プランがございます。一般賃金額の考え方や、自社の労働者の賃金額の設定方法などをアドバイスし、労使協定完成までサポートさせていただいております。

【労務管理】2025年4月から育児休業給付金の延長の手続きが変わります


育児休業給付金とは

育児休業給付金は、雇用保険に加入している一定の条件を満たした労働者が育児休業を取得した場合に、原則として子が1歳になるまで支給される給付金です。
一定の要件を満たした場合は、子が1歳2か月、1歳6か月、2歳になるまで給付金が支給されます。

子が1歳2か月になるまで支給されるケース

子が1歳2か月になるまで支給されるケースは、「パパ・ママ育休プラス制度」と呼ばれているものです。
期間延長の制度ではないので、2025年4月から変わる延長の手続きには関係ありません。
男性の育児休業の取得促進のためにできた制度で、両親どちらも育児休業をした場合の特例です。

画像は厚生労働省パンフレット「育児休業等給付の内容と支給申請手続」より

以下すべての要件を満たすと、『子が1歳2か月に達する日の前日』までの間に、最大1年まで育児休業給付金が支給されるようになります。母親の場合は、出産日(産前休業の末日)と産後休業期間と育児休業期間を合わせて最大1年、父親の場合は、出生時育児休業期間と育児休業期間を合わせて最大1年です。

  • 育児休業開始日が、子の誕生日以前であること
  • 育児休業開始日が、配偶者の育児休業の初日以後であること
  • 配偶者が子の1歳に達する日(誕生日の前日)以前に育児休業を取得していること

この制度では、婚姻の届出をしていなくても、事実上婚姻関係と同じような状況にあれば配偶者として認められます。また、配偶者が国家公務員や地方公務員等である場合も含まれます。

子が1歳6か月になるまで支給されるケース

子の1歳の誕生日※以後も親の職場復帰が難しい事情がある場合、子が1歳6か月に達する日前まで育児休業給付が延長されます。

※パパ・ママ育休プラス制度を使っている場合は、パパ・ママ育休プラス制度の育児休業終了日。以下の※はすべて同じです。

親の職場復帰が難しいと認められる理由はいくつかありますが、その一つに『保育所等における保育の利用を希望して申込みを行っているが、当面保育が実施されない場合』というものがあります。

保育所等における保育の利用を希望して申込みを行っているが、当面保育が実施されない場合

『保育所等における保育の利用を希望して申込みを行っているが、当面保育が実施されない場合』の確認は、これまでは【市区町村が発行する入所保留通知書】などで確認されていました。
2025年4月からは、さらに『保育所等の利用申し込みが、速やかな職場復帰のために行われたものであると認められること』という条件が追加になります。

保育所等を利用する気持ちがそもそもないのに、親が育児休業を長くしたいという理由で市区町村に入所申し込みをすることは制度の趣旨に合いません。制度を適切に運用するため、確認事項が追加となったようです。

育児休業の延長の申請に必要となった追加書類
延長事由認定申告書

子の1歳の誕生日の前日※(または1歳6か月に達する日)が2025年4月1日以後となる方から新しい条件が追加になります。

2025年4月1日からは、保育所等の保育が当面実施されないために支給期間の延長を行う場合は、以下のすべてに該当する必要があります。

確認事項必要な書類
1速やかな職場復帰のために保育所等における保育の利用を希望しているものであると公共職業安定所長が認めること【2025年4月1日から】育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書 【2025年4月1日から】
2あらかじめ市町村に対して保育利用の申込みを行っていること市区町村に保育所等の利用申し込みを行ったときの申込書の写し
3子が1歳に達する日(=子の1歳の誕生日の前日)※の翌日(または1歳6か月に達する日の翌日)の時点で保育所等に利用ができる見込みがないこと【市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知入所保留通知書、入所不承諾通知書など

申込をする保育所等は、認可保育所や認定こども園等のことで、いわゆる無認可保育施設は含まれません。
また、保育利用の申込みについても入所申込年月日や入所希望日、保育所等の場所など一定の条件があります。

子が2歳になるまで支給されるケース

子が1歳6カ月に達するまで育児休業を延長したものの、さらに休業が必要だと認められる事情がある場合、子の2歳誕生日の前々日まで育児休業給付金が延長されます。

子が1歳6か月になるまで支給されるケースと同じように、あらためて延長の理由などを申請し、手続きをする必要があります。

【労務管理】2025年4月からの育児休業給付について


育児休業給付は、『雇用保険に加入している一定の要件を満たした労働者』が育児休業をした場合に支給される給付金です。

育児休業給付には、次の4種類の給付金があり、2025年4月から新しく始まる給付金が2種類あります。

  • 出生時育児休業給付金
  • 出生後休業支援給付金(2025年4月1日から)
  • 育児休業給付金
  • 育児時短就業給付金(2025年4月1日から)
画像は厚生労働省パンフレット「育児休業等給付の内容と支給申請手続」より

出生時育児休業給付金とは

出生時育児休業給付金は、原則として男性が育児休業を取得した場合に支給される給付金です。
(女性が出生時育児休業給付金を受給できるのは、養子の場合に限られます。)

主な支給要件は次のとおりです。

  • 子の誕生日からおおよそ8週間の期間内※に、4週間(28日)以内の期間を定めて産後パパ育休を取得する。2回まで分割可。
  • 休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または80時間以上)の月が12か月以上ある。
  • 休業期間中の就業日数が、最大10日以下、10日を超える場合は就業した時間数が80時間以下である。
  • 有期雇用契約の労働者の場合は、一定の定められた期間までに契約期間が終わることが明らかでない。

※正確には「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間内。

出生後休業支援給付金とは(2025年4月1日~)

出生後休業支援給付金は、2025年4月1日から新しく始まる給付金です。

一定の要件を満たした場合に「出生時育児休業給付金」や「育児休業給付金」に上乗せされて支給されます。

 

「出生後休業支援給付金」が「出生時育児休業給付金」に上乗せされる場合
  • 出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休を通算して14日以上取得すること。
  • 配偶者が子の誕生日の翌日に産後休業中であるなど、一定の要件に該当していること。
「出生後休業支援給付金」が「育児休業給付金」に上乗せされる場合
  • 育児休業給付金が支給される育児休業を対象期間に通算して14日以上取得すること。
  • 配偶者が子の誕生日の翌日に産後休業中であるなど、一定の要件に該当していること。

「出生時育児休業給付金」と「出生後休業支援給付金」の支給額

「出生時育児休業給付金」支給額は、休業を開始したときの賃金日額の67%で、「出生後休業支援給付金」が休業を開始したときの賃金日額の13%です。合わせて80%が支給されるようになります。

出生時育児休業給付金の支給額休業開始時賃金日額×休業日数(28日が上限)×67%
出生後休業支援給付金の支給額休業開始時賃金日額×休業日数(28日が上限)×13%

「休業開始時賃金日額」とは、出生時育児休業または育児休業を開始する前の、直近6か月間に支払われた賃金総額を180で割った額です。賃金支払基礎日数が11日未満の賃金月は除いて計算されるなどの一定の計算方法や、上限額と下限額などが定められています。

なお、育児休業等給付は非課税で、さらに育児休業中は申出により健康保険・厚生年金保険料が免除されるため、休業開始時賃金日額の80%給付は手取り10割相当となります。

ただし、休業開始時賃金日額に上限額があるので、すべての人が手取り10割相当になるわけではありません。また、出生時育児休業期間に事業主から賃金が支払われた場合は給付金が減額される場合があります。

育児休業給付金

育児休業給付金は、原則として1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した労働者に支給される給付金です。

支給要件は主に次のとおりです。

  • 1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得する。2回まで分割可。
  • 休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または80時間以上)の月が12か月以上ある。
  • 支給単位となっている期間中に就業した日数が10日以下、10日を超える場合は就業した時間数が80時間以下である。
  • 有期雇用契約の労働者の場合は、一定の定められた期間までに契約期間が終わることが明らかでない。

労働者が子の母の場合、産後休業期間である子の誕生日の翌日から8週間は育児休業給付金の対象外です。ただし、産後休業期間は、育児休業給付金とは別に、勤務先の健康保険に加入していれば出産手当金が支給されます。国保の場合は出産手当金はありません。

また、 育児休業給付金が支給される期間は、原則として子が1歳の誕生日の前々日までですが、パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合は子が1歳2か月、さらに保育所に入れない等の事情がある場合は子が1歳6か月、そして2歳になるまで、それぞれ延長できる制度になっています。

パパ・ママ育休プラス制度とは

父母ともに育児休業を取得する場合で、一定の要件を満たすと子が1歳2か月までの間に最大1年育児休業給付金が支給されます。母親の場合は、出産日(産前休業の末日)と産後休業期間と育児休業期間を合わせて最大1年、父親の場合は、出生時育児休業期間と育児休業期間を合わせて最大1年の期間となります。

「育児休業給付金」と「出生後休業支援給付金」の支給額

育児休業開始から180日目までの育児休業給付金の支給額
※出生時育児休業給付金の支給日数は、上限日数の180日に通算されます
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
育児休業開始から181日目以降の育児休業給付金の支給額 休業開始時賃金日額×支給日数×50%
出生後休業支援給付金の支給額休業開始時賃金日額×休業日数×13%
※28日が上限。ただし、産後パパ育休で出生後休業支援給付金が支給されている場合などは、支給済日数分を差し引いた日数が上限。
※育児休業期間に事業主から賃金が支払われた場合は給付金が減額される場合があります。

育児時短就業給付金

令和7年4月1日から、労働者が2歳未満の子を養育するため所定労働時間を短くして働く場合、賃金が低下するなど一定の要件を満たすと「育児時短就業給付金」の支給を受けることができます。

給付率は、時短勤務中に支払われた賃金額の10%です。

こちらは厚生労働省から詳細パンフレットがまだ公開されていないので、詳細はまた別の機会にまとめたいと思います。

【派遣延長が短期の場合には、日雇い派遣に当たらないように注意が必要です。】


【派遣期間終了後に派遣先から1週間延長の申入れがあった際の注意点】

労働者派遣では、30日以内の雇用期間を定めて派遣するいわゆる「日雇い派遣」は、必要な雇用管理がなされず、派遣労働者の保護に欠けることから、原則禁止とされています。
ただし、一部の職種、60歳以上や昼間の学生、年収500万円以上等については例外として日雇い派遣が可能とされています。

日雇い派遣禁止についての厚生労働省の詳細はこちらです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644420.pdf

「30日未満の派遣期間延長を派遣先から依頼があった場合には、日雇い派遣に該当しないか注意が必要となります。」

たとえば、労働者Aさんを派遣期間3カ月、雇用期間3カ月で労働者派遣を行っている場合に、派遣先から繁忙の為、1週間だけ派遣期間の延長をお願いされる場合があるとします。派遣先から改めて1週間の派遣就業の依頼があった場合、日雇い派遣の例外に当たる60歳以上等や無期雇用の方を派遣元会社が派遣できるならば、問題は無いのですが、Aさん以外に派遣できる人がいない場合にはどうすればよいのか、という話になります。

Aさんを雇用期間3カ月終了後に継続雇用し、1週間の雇用期間を再締結後に派遣する事は日雇い派遣に該当します。この場合雇用期間は1週間と判断されます。

これを防ぐためには、事前にAさんと雇用契約期間変更の同意を得た上で、雇用契約期間を3ヶ月と1週間の期間に変更する必要があります。(例1月1日~3月31日まで→1月1日~4月7日の期間に変更)これにより30日以内の雇用期間とならず、日雇い派遣には該当しない形になると3局の労働局に確認して問題ないと言われています。

上記案件に該当し、気になる場合は管轄の労働局にご確認していただければと思います。

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