カテゴリー:その他

ホーム > その他 > ページ 2

【派遣許可後の運営についてもサポートいたします】

【同一の派遣事業所で複数の是正指導が多数生じています】

東京労働局が令和5年度の民間人材ビジネスに対する指導状況を取りまとめた報告がありました。
指導監督を実施したのは延べ3531件、文書により是正指導を行った件数は3692件で昨年度から0.8%上昇しています。
実施件数より、是正指導件数が多い理由は同一の事業所で複数の項目で指導を行った事や、繰り返し指導を行ったことが要因となっています。
是正指導が行われた派遣事業所は2908件で、同一労働同一賃金に関する労使協定の賃金額の不備が多発。派遣労働者の賃金算定として通勤手当に相当する支給が義務付けられているがこちらの計算ミスが多い結果となっています。
複数項目で指導を受けている会社は労使協定の不備の他、就業条件の明示をしていなかったり、派遣元管理台帳に不備が多いようです。

派遣許可を取った後も、様々な守るべき法律の中で派遣業を運営していくことが必要となります。違反により指導是正、改善命令、許可取り消しとなる事例もございます。
弊社では派遣・職業紹介の許可申請はもちろんですが、許可後の運営方法についてもサポートするサービスがございます。
労使協定方式の基準賃金は毎年変更となる事から毎年計算が必要となりこちらの計算金額の算出方法・確認を始めとした労使協定作成に対する確認・助言や、都度ある法改正への対応、運営上の注意点などに関する情報、毎年6月に報告する年度報告書の作成方法、派遣運営全般についてアドバイスするサービスを行っています。

派遣の許可は取ったけど法律の事は良く解らない、自分の会社は違反をしていないだろうかと不安でいる、毎年の労使協定作成に頭を悩ませている等、ご興味のある事業主様は是非お問合せください。

【労務管理】副業と社会保険

副業の推進

政府は、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日)において、「労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業の普及促進を図る」としており、今後、副業をする人は増える傾向にあると思います。

一方で、平成28年10月から短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大が実施されており、フルタイムでない働き方をする場合にも、企業などで働く方が厚生年金保険や健康保険といった「社会保険」に加入するケースが広がってきています。

そのため、今後、「主たる勤務先」と「副業先」どちらでも社会保険に加入しなければいけないケースは増えてくると思います。

パートタイマー・アルバイト等の方が社会保険に加入するケース

パートタイマー・アルバイト等が、事業所と常用的使用関係にある場合、次の働き方をしていると社会保険に加入するようになります。

  1. 1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上の場合
  2. 「特定適用事業所」「任意特定適用事業所」または「国・地方公共団体に属する事業所」に勤務していて、以下のすべてに該当する場合
    ・週の所定労働時間が20時間以上あること
    ・賃金の月額が8.8万円以上であること
    ・学生でないこと

特定適用事業所とは

1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が101人以上※となることが見込まれる企業等のこと。  ※令和6年10月からは厚生年金保険の被保険者数が51人以上

ダブルワークでどちらの勤務先でも社会保険に加入するケース

ダブルワークでどちらの勤務先でも社会保険に加入するようになるケースを考えてみます。

① 通常の労働者の4分の3以上

事業所によって「通常の労働者」の時間は違いますが、仮に「通常の労働者」が1日8時間、週5日勤務とすると、ダブルワークでどちらの勤務先でも社会保険に加入するのは、次のような働き方が考えられます。

8H×週5日×4分の3=週30時間

(例)
主たる勤務先 1日6H×週5日(週30時間)
副業先    1日6H×週5日 (週30時間)  

昼も夜もフルタイムに近い働き方をする方や、複数事業所で常勤取締役をするなどが考えられますが、週1日も休みなく働いたり、1日12Hを恒常的に働くようになるので、あまり多くの方は該当しないものと思います。

② 特定適用事業所で週20時間以上

特定事業所で週20時間の勤務をしている場合、仮に1日4時間、週5日勤務とすると次のような働き方が考えられます。

(例)
主たる勤務先 1日4H×週5日 (週20時間)
副業先    1日4H×週5日 (週20時間)

午前と午後で勤務先を分けて働いている場合などが考えられます。
賃金の月額が8.8万円以上であること、学生でないこと、も満たす必要がありますが、最低賃金も上がってきているので、月額要件は満たす場合が多いと考えられます。


副業が活発になると、このような働き方をする方が増えることも考えられるのではないでしょうか。


また、主たる勤務先が①で、副業先が②、などのケースも考えられると思います。

複数の事業所で社会保険に加入するようになったときの手続き

「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を届出し、主たる事業所を選択して管轄する年金事務所または保険者等を決定します。

保険料

社会保険料の標準報酬月額は、「それぞれの事業所で受ける報酬月額を合算した月額」で決定されます。

さらに、決定された標準報酬月額の保険料額を、「それぞれの事業所で受ける報酬月額に基づき按分」して、保険料が決定され、それぞれの事業所へ通知されることとなります。

健康保険証

健康保険証は、選択した事業所のみで健康保険証が発行されます。

報酬に変更があったとき(月額変更)

「各事業所について随時改定の要件に該当するかどうか」で判断することになります。

それぞれの事業所で固定的賃金が変動し、2等級以上の差が生じていれば、月額変更の届出をすることになります。
あくまで、それぞれの事業所で該当するか否かを確認するので、届出にあたり、他方の事業所の報酬を気にする必要はありません。
ひとつの事業所で月変に該当した場合には、合算して2等級以上の差が生じていない場合でも随時改定が必要になります。

【派遣を偽装した労働者供給事業者に改善命令】

【IT系企業の派遣業、指導改善徹底へ】

昨日、東京労働局がIT企業で業務委託契約で受け入れた他社の労働者を派遣契約として、
派遣先会社に送り、派遣先労働者の指揮命令の下で働かせたとして、労働者派遣違反として事業改善が命令されました。

こちらの企業はITシステム系の会社でシステム開発や保守を行うためにエンジニアを派遣する事業を行っていました。
しかし、今回は自社の雇用契約を結んでいる社員を派遣しておらず、直接雇用形態を結んでいない、業務委託の他社社員を派遣していた状態でした。自分の会社と直接雇用契約を結んでいない労働者を派遣する事が違法に当たります。

これまでも、今回のようなIT系、システム系の会社では客先常駐型、同時プロジェクト開発と称して自社の社員を他社に送り業務を行う事が多く見られ業務委託と称していても、実際は自社の社員を他社に送り、他社の社員の指揮命令を受ける派遣状態が横行し、派遣法に違反しているケースが多々見られる状態でした。労働局は今後、IT系、システム系企業に対して派遣法、労働者供給事業の禁止に関する指導や悪質なものに対しては行政処分を徹底すると発表しています。

違法状態の客先で就業していた際に、調査等が入ると業務停止命令が下り、仕事をストップしなければならない場合もございます。
弊社では、これまでIT系、システム系の会社をはじめ数多くの企業様の労働者派遣業・有料職業紹介業の許可申請代行を行ってきた実績がございます。ご興味、お問い合わせなどございましたらお気軽にお申しつけください。

【派遣・労使協定方式において地域指数に誤りがあった件の改善経費として助成金が適用されます】

【地域指数の確認と、賃金額が満たない場合は賃金額を引き上げるための協定改定が必要となります】

 

先日、令和6年5月に派遣労働者の労使協定方式に適用する令和6年度の施行のため示した職業安定局長通達のうち、地域の状況を反映するために一部の派遣元事業所で使われている「ハローワーク別地域指数」の一部(全434所中275所)に誤りがあることが分かり、公表されました。
地域指数の新旧表はこちらです。


派遣元事業主の対応として、誤りのあったハローワーク別地域指数を参照して労使協定を締結された派遣元におかれては、訂正後の地域指数による一般賃金水準を確認し、自社の賃金制度が同水準に満たなくなる場合には、満たすように労使協定の改定を令和6年9月30日まで(経過措置期間)に準備するように求められています。

その際、4月当初から協定見直しまでの間について、現行協定と新協定との差を補うことを労使で検討する旨の要請が出ています。
厚生労働省より、再締結による賃金制度の整備・改善経費を支援する助成金が創設されます。協定を再締結し、それまでの期間における差額を支給する派遣元に対し、一律5万円と、派遣労働者1人につき1万円の合計額を支給する。実費が定額分を上回る場合は、実費相当分を支給する模様で近日中には厚生労働省からの発表があるようです。

今後、リーフレット及びQ&Aについても、厚生労働省『派遣労働者の同一労働同一賃金について』ホームページにて掲載予定となっています。

派遣元事業主の方々においては、こちらの助成金のご確認・ご検討も視野にいれてみてはいかがでしょうか。

厚生労働省のホームページ『出産なび』が開設されました

【地域やサービスの条件を設定して、分娩を扱う施設を検索することができます】

2024年5月30日にウェブサイトが開設されました。

『出産なび』はこちら

出産する施設に対する様々なニーズ、出産にかかる費用も地域や施設によってばらつきがあり、施設選びの際にそれぞれの施設の情報を1つ1つ調べるのは簡単ではありませんでした。
このため、妊婦やご家族のみなさんがあらかじめ費用やサービスの情報を踏まえて適切に出産する施設を選択できるよう、全国の分娩を取り扱う施設ごとのサービス内容や出産費用の状況などを厚生労働省のウェブサイトで公表することとなりました。地域やサービスの条件を設定して、分娩を扱う施設を検索することができます。

【助成金】【男性労働者が育児休業を取得するともらえる助成金があります】

【令和6年度から対象者が1人から3人へ拡充】

近年、育児休業を取得する男性労働者が増えています。2023年に政府が発表した男性の育児休業取得率は17.13%でした。数字は上昇傾向にあり、政府は男性育休取得割合を2025年には50%を目標にするなど男性の育児休業取得は、今後も増加していくと思われます。会社としても男性の育児休業取得に対しての理解・対応方法、を考える時期にきていると言えます。

男性が育児休業を取得するともらえる助成金があるのをご存知でしょうか?

仕事と育児・介護の両立支援を応援する『両立支援等助成金』という助成金があります。
両立支援等助成金には介護・育児について6つのコースがあり、育児・介護を取得促進する会社を応援する助成金です。
厚生労働省の両立支援助成金についての詳細ページはこちらです。

今回ご紹介するのは
『出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)』です。
こちらは簡単に言うと、男性労働者が5日以上の育児休業を取得した場合に20万円助成金が支給されるものです。
以前は対象労働者が1人でしたが、令和6年度からは3人まで拡充となりました。ただし、2人目・3人目の支給額は10万円になります。


支給要件は育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得した男性労働者が生じた事業主に支給されます。

代替労働者の確保が一番の課題と言える育児休業ですが、取得促進するメリットもあります。
男性育児休業を取得することで、業務の見直し、分配、効率化などを見える化していくことにより生産性の向上・業務自体の発展も望まれます。育児休業を取得できる会社という事で、社内風土の改善、従業員のモチベーションアップや離職率の低下、新規・中途採用応募人材の増加等の調査結果も出ています。
これから男性の育児休業取得増加を見据えて、ご興味がある事業主の方々は助成金申請を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

【労務管理】労働条件通知書に休職に関する事項は載せていますか?

口頭でも良いが、忘れない為に記載をおすすめします。

令和6年4月から労働条件明示に関する法律が改正され、雇用契約書・労働条件通知書に記載すべき事が改正されます。
今回のお話は改正に直接は関係ありませんが、通知書に関係するお話になります。
労働基準法では、労働契約締結時に書面で明示すべきもの、口頭の説明でも良いもの、の2種類があります。
【休職に関する事項】は会社に規定がある場合に口頭での説明でも良い事になっています。
労働者との契約締結時に『弊社には休職制度が就業規則の〇条に記載があるので、一読しておいてください。』
と口頭で伝える必要があり、就業規則の〇条に記載と詳細に伝える必要があります。就業規則にあるだけでは説明不足です。

近年、メンタルヘルス等の精神的な病により長期休業を取る方が増えています。
休業〇ヶ月を過ぎても復職が出来ない場合は、自然退職とするといった規定を作成している会社様も多いと思います。
いざ、その規定を労働者に伝えた際に、聞いていない、知らなかったという事での労使間トラブルが増加しています。
防止策として、労働条件締結時にきちんと伝えることが第一で、先述した通り、口頭でも良いのですが伝え忘れないためにも雇用契約書・労働条件通知書に記載をしておくことをお勧めいたします。

今回の労働条件明示の改正に合わせてこちらもご確認してみてはいかがでしょうか。

【派遣】派遣許可が下りる前に派遣労働者の求人募集は出来ません

派遣先が明らかに確定していることが必要です。

弊社では派遣業の新規許可申請を多数行っています。許可申請を行う会社様から
ハローワークで派遣労働者の募集をすぐに行いたいがどうすれば良いか?とご質問を受けることが有ります。
1日でも早く労働者を募集したい気持ちは解りますが、派遣業許可が下りるまで派遣労働者の募集はすることが出来ません。
また、許可が下りたとしても派遣先に明らかに派遣できる状態でなければなりません。
派遣先との契約が決まり次第、派遣するなどは不可という事です。
ハローワークでは派遣労働者は一般の労働者とは区分されており、求人に対して契約書等書面を確認するなど徹底することが厚生労働省で発表されています。まずは地盤づくりとして許可交付、派遣先との契約締結などを固めてからの労働者募集を進める事となります。

【労務管理】2024年4月以降の時間外労働の上限規制

労働時間は、原則として1日8時間、1週につき40時間以内と労働基準法で定められています。
(法定労働時間といいます)

36協定を結ぶと法定労働時間を超えて時間外労働ができるようになりますが、働き方改革の一環で、2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働の上限時間が法律で定められました。

時間外労働の上限

原則の限度時間・1カ月45時間(休日労働時間を含めない)
・年間360時間以内(休日労働時間を含めない)
臨時的な特別な事情がある場合・1カ月100時間未満(休日労働時間を含める)※1
・複数月を平均して80時間以内(休日労働時間を含める)※2
・年間720時間以内(休日労働時間を含めない)
・原則の限度時間を超えて時間外労働を延長できるのは年間6ヶ月まで
※1 100時間”未満”なので、100時間は時間外労働をしてはいけません。99時間59分までです。
※2 複数月を平均して、というのは、具体的に「2カ月平均」「3カ月平均」「4カ月平均」「5カ月平均」「6カ月平均」のすべてを満たすことをいいます。 

時間外規制の猶予期間が終わる業種

次の事業・業務は、業務の特性や取引慣行の課題があることなどから時間外労働の上限規制の適用が猶予されていましたが、2024年4月からは猶予期間が終わって上限規制が適用されます。

  • 工作物の建設の事業
  • 自動車運転の業務
  • 医業に従事する医師
  • 鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業

工作物の建設の事業

2024年4月以降、建設業では、『災害時における復旧及び復興の事業』を除いて、臨時的な特別な事情がある場合でも時間外労働の上限規制が『一般の労働者と同じように』適用されます。

≪再掲≫

災害時における復旧及び復興の事業

災害時における復旧及び復興の事業には、時間外労働と休日労働の合計について月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制は適用されません。臨時的な特別な事業がある場合の年間720時間以内、原則の限度時間を超えられるのは年間6カ月まで、のみが適用となります。

自動車運転の業務

2024年4月以降、自動車運転者は、臨時的な特別な事情がある場合の時間外労働の上限が『年間960時間以内』となります。

一般の労働者と異なり、臨時的な特別な事情がある場合の時間外労働と休日労働の合計について、次の規制は適用されません。

  • 月100時間未満
  • 2~6ヶ月平均80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年間6ヶ月まで

自動車運転の業務に従事する労働者は、時間外労働時間の上限規制とは別に、令和6年4月1日から適用される運転時間や勤務間インターバルについて定めた「改善基準告示」を遵守する必要があります。

医業に従事する医師

2024年4月以降、医業に従事する医師は、臨時的な特別な事情がある場合の『年間の時間外・休日労働の上限が最大1860時間(※)』となります。

一般の労働者と異なり、臨時的な特別な事情がある場合の時間外労働と休日労働の合計について、次の規制は適用されません。

  • 月100時間未満
  • 2~6ヶ月平均80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年間6ヶ月まで

※労働基準法とは別に、医療法等に追加的健康確保措置に関する定めがあります。
特別条項付き36協定(臨時的な特別な事情がある場合)を締結する場合、特別延長時間の上限(36協定上定めることができる時間の上限)については、次のようになります。

  • A水準、連携B水準 …年960時間(休日労働含む)
  • B水準、C水準   …年1,860時間(休日労働含む) 

特例水準は都道府県から指定されます。

なお、医業に従事する医師については、特別延長時間の範囲内であっても、個人に対する時間外・休日労働時間の上限として副業・兼業先の労働時間も通算して、時間外・休日労働を、次のようにする必要があります。

  • A水準…年960時間/月100時間未満(例外的につき100時間未満の上限が適用されない場合がある)
  • B・連携B水準・C水準…年1,860時間/月100時間未満(例外的に月100時間未満の上限が適用されない場合が
    ある)

鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業

2024年4月以降、上限規制がすべて一般の業種と同じように適用されます

【労務管理】年次有給休暇の計画的付与

年次有給休暇の計画的な付与が魅力的な理由

 年次有給休暇の計画的な付与が、事業主にも従業員にも魅力的な理由について考えてみたいと思います。

従業員の定着率向上や、従業員エンゲージメントの向上

 人手不足で求人をかけてもなかなか応募が集まらない今、既存の従業員の定着率向上や、従業員エンゲージメント(「会社に貢献したい」という従業員の自発的な意欲)の向上を課題としている経営者や人事担当者も多いと思います。

 商工中金の「中小企業の従業員エンゲージメントに関する調査」によるとエンゲージメント向上に向けた各種取り組みの中で、”ワークライフバランスや多様な働き方の推進” ”福利厚生の充実” は5割近くも取り組みとして掲げられています。

参考リンク
商工中金「中小企業の従業員エンゲージメントに関する調査(2023年8月商工中金景況調査 トピックス調査)2023/10/31」

従業員にとってのメリット

 年次有給休暇の計画的な付与は、従業員にとってメリットがあります。
まず、有給休暇の取得をなかなか言い出しづらい職場においても確実に有給休暇を取得できます。
プライベートの予定を立てることができるため、旅行や家族との時間を充実させることができるでしょう。リフレッシュすることで仕事の生産性も向上すると言われています。

働き方の柔軟性が高まれば、職場への定着意欲も高まると考えられます。

ワークライフバランスや多様な働き方の推進のために

 年次有給休暇の計画的な付与は、ワークライフバランスを実現するための一つの手段として考えられます。
従業員は休暇を計画的に取ることで、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。
柔軟な働き方が求められている今、計画的な付与は、そのニーズに応えるための一つの方法になると思います。

事業主にとってのメリット

 年次有給休暇は、労働基準法39条に定められた労働者にとっての権利です。
さらに、2019年からは一定の労働者には年5日は必ず時季を定めて『有給休暇を使用』させなければいけないと法律に明記されました。

 有給休暇を随時バラバラに使用させる場合、労働者が「忙しい」などの理由で取れなかったとき、事業主は意図せずまとめて取得させることになります。
 法令順守の観点だけでなく、業務を計画的に行うためにも、有給休暇を計画的に使用させることは事業主にとって意味のあることなのです。

年次有給休暇の計画的付与とは

 では、年次有給休暇の計画的付与とは一体どのようなものでしょうか。
計画的付与は、従業員が予定を立てやすくするため、一定のタイミングで休暇を付与することです。

 従業員が与えられている年次有給休暇のうち、5日を超える部分(10日付与されていたら、10-5=5日間)を計画的付与で使う分にできます。

 就業規則に計画的付与を行う旨を記載のうえ、事業主と労働者で労使協定を結び、具体的な方法を記します。労基署への届け出は不要です。

年次有給休暇の計画的付与に関する就業規則の規定例

(年次有給休暇の計画的付与)
第●条 
労働者代表との書面による協定により、各労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることがある。

計画的付与の導入の具体例

計画的な付与を導入するためには、いくつかの具体的な方法があります。

①全体の休業による一斉付与方式

 製造部門など、事業場全体を休みにできるような業態の場合、全従業員に対して同じ日に有給休暇を与える一斉付与方式が考えられます。

 

②班・グループ別の交代制付与方式

 定休日を増やすことが難しい事業場では、班・グループ別で交代で年次有給休暇を付与する方式が取られることが多いようです。

 

③計画表による個人別付与方式

 個人別に計画表を作って導入する制度です。
夏季・年末年始・GWや個人的な記念日などに休暇を取ることが考えられます。

 

 

従業員の休暇の希望や予定を把握することが重要

 いずれにせよ、まずは、従業員の意見を聞くことから始めましょう。
従業員の休暇の希望や予定を把握することが重要です。
また、業務のスケジュールを調整するために、従業員同士のコミュニケーションを円滑にすることも大切ですので、会議やツールの利用などで情報共有と連携を図りましょう。

 

終わりに

 年次有給休暇の計画的な付与は、従業員にとっても事業主にとってもメリットがある制度と言えます。
従業員が休暇を計画的に取ることで、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなり、ワークライフバランスの重要性が高まる現代において、計画的な付与の導入は企業にとってもメリットがあるでしょう。


従業員エンゲージメントの向上と労働環境の改善に取り組むために、ぜひ計画的付与制度の導入を検討してみてください。

 


(注)当記事におけるテンプレート等の使用によって生じる損害について、弊社はいかなる場合においても一切責任を負いません。あらかじめご了承ください。

アーカイブ

[ご相談無料]まずはお気軽にご連絡ください。TEL:0120-26-4445[受付時間平日10:00〜21:00(土日祝日は休み)]

お問い合わせ

ご相談無料

まずはお気軽にご連絡ください

株式会社アントレコンサルティング

0120-26-4445

受付時間 9:00〜19:00(月曜〜土曜)

お問い合わせ

ページ上部へ戻る