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資本金とは何か


「それでもボクはやってない」という映画があります。

2007年に公開された日本映画です。

フリーターの主人公が、朝の通勤通学ラッシュで混雑する電車で就職面接に向かっていたところ、女子中学生に痴漢に間違えられてしまいます。無実の罪を被って示談で済ませるという妥協を拒み、あくまで濡れ衣を晴らそうとする主人公は逮捕、起訴され、彼とその支援者たちの長い戦いがはじまる…というお話です。

詳しい内容はネタばれになるため書きませんが、映画に出てくる裁判官、検察官、弁護士、警察官がとてもリアルだということらしいです。あまりリアルであってほしくないような内容なんですけどね…

名作ですからご覧になった方は多いと思いますが、昨今の現実に起きている事件や、映画公開後に開始された裁判員制度を考える上でためになると思いますので、まだご覧になっていない方には、いまこそおすすめです。

さて、今回は資本制度について書きます。

資本金は、たとえば500万円計上したら、金庫や預金に常にその額が入ってなければいけないのか?まれにそのような誤解をされている方がいますが、そのような必要はありません。会社設立時に資本金として500万円出資したなら、その金額をどのように使っても構いません。資本金の額は計算上の数字にすぎないのです。

では、なぜ計算上の数字にすぎない資本金を計上するのでしょうか。

資本金は貸借対照表(バランスシート)上、「純資産の部」に計上されます。大まかに言えば、貸借対照表・左の「資産」から右の「負債」と「資本金(準備金)」を差し引いたものが会社と株主の取り分となります。

資産-負債-資本金=剰余金(内部留保+株主への配当金)

ところで、負債の部には借入金が計上されるのですが、その借入金は裏返せば金融機関が出資しているということになります。上の式の「資本金」の値が大きいほど、会社が自由に使える金額を制限することを意味しており、金融機関、つまり債権者にとって、会社財産の信頼度をはかるひとつの指標となるわけです。(これはあくまでもひとつの指標であって、株主からいくら資金を集めたか知ることはできますが、それをどう使ったかというのは別問題であり、資本金の額だけで会社の価値をはかることは危険です。)

以上のように、資本金の額は債権者保護のために一定の意味をもっていますから、それを会社が「自由に」減少することは許されず、債権者保護手続が必要です。

厚生年金保険料率が変わります


今月のはじめにアップルから新しいiPodが発表されました。iPod TouchはiOS4搭載でFace Time(ビデオ通話)やHDビデオ撮影・編集ができると…すごい!はずなんですが、iPhone4が出た後なので、別に、驚きません。

nanoの方はずいぶんとデザインが変わりました。実際に触ってみないとなんとも言えませんが、気になる存在です。

さて、今回はそんなiPod touchやiPhoneで使えるアプリを少し紹介しましょう。

◆Google  Mobile  App

グーグルの検索アプリです。

ご存じない方にとっては、ウェブブラウザの検索と何が違うの?と思われるでしょうが、音声検索機能が付いているところが大きく違います。

iPhoneのマイクに向かって検索したい言葉をしゃべりかけるとその音声を拾って、画面に表示してくれるので、文字入力する必要がありません。

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そしてその音声認識力が優れています。

どのくらい長い言葉を認識することができるのか?試しに、スリランカの首都「スリジャヤワルダナプラコッテ」とささやいてみましょう。

すると画面には「スリジャヤワルダナプラコッテ」と見事に表示されているではないですか。

しかし、スリジャヤワルダナプラコッテは雑学界ではメジャーな存在です。

ロシアのマイナーな地名はどうでしょうか。

マイクに向かって発声します。

「ペトロパブロフスク カムチャッキー」

なんとこれも見事に拾い上げ完璧に表示されるではないですか。

これほどのものとは思いませんでした。

それでは趣向を変えて、チャドの首都「ンジャメナ」はどうでしょうか。

「ン」からはじまる言葉を認識できるのか…、ささやいてみると、画面に表示された言葉は、

「忍者メナ」

一体だれなんだ?!

でも、すごく惜しいです。

音としてはほぼ正解です。

…と、ひとりでそんなことをやっているうちに、夜がふけていきます。

◆税理Pro無料版

無料版なのでいろんな制約がありますが、所得税・年末調整・法人税・消費税(簡易・本則)等の計算ができます。

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「個人vs法人税額比較」なんてこともできますし、給与・賞与計算だってできます。

登録免許税一覧、源泉徴収税額表(月額表・日額表)、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険の保険料率表も備わっています。

これさえあれば、電車の中で給与計算がしたくなっても、だいじょうぶです。

そんな税理Proですが、先日、バージョンアップ情報が通知されていたので、内容を確認すると、「厚生年金保険料率改定」とあります。

そう、9月分の保険料(10月徴収分から適用)から保険料率が変わります。

16.058%、私のアプリの厚生年金保険料率はすでに、そうなっています。

監査役の責任


最近テレビで菅首相や小沢さんの街頭演説している姿を見たという人は多いと思います。
政治家のよく使う言い回しで「~であります」というのがあって、この言葉を使うとなんとなく演説っぽい雰囲気になるような気がするのですが、「~であります」はもともと長州の方言であります。
明治政府は薩長の政権でしたから、その影響があって今に至っている、というのは想像できます。
政治家ではないのですが長州出身の陸軍大将・乃木希典の肉声を記録したものが残っており、YOUTUBE上にアップされていて聞くことができます。
そのひとことがまさに「私が乃木希典であります」であります。
そんな乃木大将の旧宅と神社が当社オフィスのすぐ近くにあります。

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さて、前回は取締役の責任について書きましたので、今回は監査役の責任についてです。
大手スーパーの従業員が、食品の輸入元を別会社に偽装して転売したとされ、食品衛生法違反の疑いにより逮捕された事件は記憶に新しいところです。
会社の大小に関係なく、コンプライアンスを軽視するということは、会社の存亡にかかわる事態になりかねません。

◆監査役の職務
監査役の設置は原則として任意ですが、取締役会設置会社(委員会設置会社と公開会社ではない会計参与設置会社を除く)と会計監査人設置会社(委員会設置会社を除く)には設置しなければなりません。
その職務は、取締役が職務を適法に執行しているかどうかを監査することです。
監査役が、監査報告書に虚偽の記載をして、結果それを信じた第三者に損害を与えた場合、損害賠償の責任を負わなければなりません。
決算時に監査役が作成する書類のことを「監査報告書」といいますが、どんな小さな会社であろうと、粉飾であると知りながら、決算書は適正に作成されているとして報告書を作成し、銀行から融資を受けたり、第三者に出資を依頼した場合、会社や取締役だけでなく、監査役も責任を問われる可能性があるということです。

取締役の責任


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相変わらず暑い日が続いていますが、もう8月も過ぎようとしています。
夏が終わる・・・なんとも言えない寂しい感じがありますよね。
今年は夏が終わるともうすぐに冬がやってくるという噂です。

さて、これまで何度かふれたように、株式会社は所有と経営の分離を原則としています。
会社の所有者である株主は直接経営には携わらず、取締役に経営を委託するという制度になっています。
会社(株主)から経営を委託された場合、取締役は善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)を負うと同時に、会社のために忠実に職務を執行する義務(忠実義務)を負うことになります。
善管注意義務とは「委任を受けた人の、職業・地位・能力において、社会通念上、要求される注意義務のことを言います。
忠実義務とは、会社の利益を犠牲にして自己の利益を図ってはならない義務のことを言います。

◆競業避止義務と利益相反取引の制限
上記義務の具体化として、競業避止義務と利益相反取引の制限が規定されています。
取締役の会社の情報を知り得る立場を利用して、個人の事業として会社の取引先を奪って会社に損害を与えることもあり得ます。
このように取締役本人が会社と同じような業務を行うことを競業取引と言い、禁止されています。
また、取締役が会社から金銭を借り入れること、会社から取締役への贈与、取締役本人の債務を会社が保証するなどの行為は利益相反取引とみなされ、規制されています。

取締役がこれらの義務に違反し、会社に損害を与えた場合、損害賠償の責任を負わなければなりません。

株式の譲渡自由の原則と株式の譲渡制限


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「目標はただひとつ。腐ったこの国を買い叩く!」

ドラマ『ハゲタカ』好きの人なら一度は言ってみたいセリフのひとつです。

ここで言う、買うというのは会社のことであり、会社を買うということは、その会社の株式を取得するということです(以前、株式会社の所有と経営の分離について書きました)。

ということで、今回は株式の譲渡自由の原則と株式の譲渡制限について書きます。

◆株式の譲渡自由の原則

株主は、原則として会社に対して出資の返還を求める権利がありません(例外がありますがここではふれません)。
そのため、投下資本の回収は株式の譲渡によることが原則となります。
出資の返還に対する制約を設けることで会社の財産的基盤を確保する一方で、株式譲渡自由の原則により株主に投下資本回収の方法が保障されているわけです。

◆定款による株式の譲渡制限

株式譲渡自由の原則、とはいうものの、会社によっては、株主間の個人的な信頼関係が重視され、好ましくない者が株主になることを避けたいというケースもあります。

そこで会社法は、会社が定款により、株式の譲渡による取得は会社の承認を要するという形で株式の譲渡制限をすることを認めています。

株式の譲渡制限は、非上場会社で多くみられます。

・定款で譲渡を制限された株式を、譲渡制限株式といいます。

・定款による株式の譲渡制限は、登記事項になります。

 

登記がなければ、譲渡制限株式だと知らずに譲り受けた第三者に対して譲渡制限の効果を対抗することができません。

会社法上、株式の譲渡制限を行っていない会社を「公開会社」といい、公開会社でない株式会社は「非公開会社」と呼ばれることが一般的です。

日常で「上場会社」のことを言う公開会社とは意味が異なります。
もっとも会社法上の「公開会社」のほとんどは上場会社ですが。     (柚原)

所有と経営の未分離-持分会社(2)


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前回、持分会社の特徴とその分類についてふれました。
今回は持分会社の特徴についての補足と合同会社についてです。

◆持分会社の特徴について簡単に補足すると以下のようになります。
(1)定款の作成・変更には全社員の一致が必要ということ
(2)社員の持分の譲渡、新たな社員の加入も他の社員全員の承諾が必要
(3)利益配当、議決権分配も出資の割合に関係なく自由に決めることができる(ただし、合同会社の利益配当については下記のとおり)

◆合同会社の特徴について
出資者たる社員は全員、有限責任社員となり、万が一、事業に失敗したとしても出資した金額の範囲内で責任を負います。
その一方で労務出資が認められている合名会社、合資会社の社員とは異なり、労務出資ができず、必ず金銭(または金銭以外の財産)での出資が必要となります。
このように有限責任が認められ、会社債権者に対して直接責任を負わない代わりに、利益配当について規制が置かれています。
また、出資の払戻しや持分の払戻しについても規制が置かれています(詳細についてはここではふれません)。
これまでのことをまとめると合同会社は持分会社でありながら、株式会社のような特徴も持っている会社形態と言えそうです。

合同会社は株式会社よりも容易に設立することができます(設立時登録免許税が安いことや定款認証が不要といったことがあげられます)。
一方で、まだ認知度の高い会社形態ではないというデメリットもあります。
個人の能力に依存する割合が高く、会社の規模を将来的に大きくしていく予定がなければ、一つの選択肢として考えてもよいのではないでしょうか。

ところで、合同会社の「社員」は法人でもなることができます。前回、例にあげた西友ユニバーサルミュージックのような大企業でも合同会社という形態を選ぶことができるというわけです。

所有と経営の未分離-持分会社


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西友で買い物をして領収書を受け取ると、そこにはこう書かれてあるはずです。

合同会社西友

最近、エミネムの新譜を買ったという方、あるいはレディー・ガガでも福山雅治でも構いませんがCDケースの裏をご覧ください。

「発売・販売元:ユニバーサルミュージック合同会社

どちらの会社も「合同会社」です。
平成18年施行の会社法によって導入された会社形態で、「合名会社」「合資会社」とともに「持分会社」のひとつに分類されます。

持分会社の特徴としては、株式会社では前回ふれたように所有と経営が分離されているのに対して、社員(=出資者のこと、一般的に従業員をさして言う「正社員」とは異なる)でなければ業務執行者となることはできず、所有と経営は未分離ということがあげられます。
また、「社員」が有する「持分(社員たる地位)」の譲渡には他の社員の承諾が必要とされているため、「持分」が投資家によって頻繁に売買されるようなことにはなりません。

持分会社は、さらに出資者の責任の範囲の違いに応じて、「合名会社」「合資会社」「合同会社」に分類されます。

出資者全員が無限責任社員である会社を「合名会社」、無限責任社員と有限責任社員の両方が存在するのが「合資会社」、全員が有限責任社員であるのが「合同会社」となります。

事業者が債権者に対して支払ができなくなった
場合に、出資者個人が私財を投じても弁済する責任があるのが無限責任、出資した金額の範囲内で責任を負うのが有限責任といわれます。
従いまして、無限責任社員のみの合名会社は法人ではあるものの、個人事業に非常に近い形態といえます。
また資金提供者に有限責任を保障するというのが合資会社となりますが、中心となって会社を興した人が無限責任社員になるのが通常ですから、そのリスクは考えなければなりません。

次回へ続きます。


所有と経営の分離について


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ソフトバンクの孫正義社長が司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』に強く影響を受けたことは、ご存知の方もいると思います。
TVCMでもお父さんが高知の桂浜まで行っていたような…。
ちなみに海援隊の隊旗(上から赤・白・赤の横に三本のライン)の赤の部分を黄色に変えると、みなさんご存じのソフトバンクのロゴになるということらしいです。
大河ドラマの方は第二部が終了し、長崎に舞台を移し第三部がはじまります。
龍馬たちは長崎で薩摩藩を出資者とする「亀山社中」を結成します。
グラバー商会との武器の取引や物資輸送など近代的な商社の活動をしていました。
のちに土佐藩のもとで海援隊となり、龍馬なき後は、岩崎弥太郎が後を継いで三菱商事へとつながっていきます。

現在の日本では、会社のほとんどが株式会社という形をとっていますが、株式会社の大きな特徴のひとつに「所有と経営の分離」ということが挙げられます。
そういう意味では、亀山社中も株式会社に近い形だったと言えるのではないでしょうか。
上場企業だとイメージしやすいと思いますが、小規模な会社の経営者の方にとっても考え方は同じです。
小規模な会社では、代表者が株主であり、同時に取締役でもあるという形が一般的ですが、その場合でも取締役の立場と株主の立場を分けて考えます。
株主として考えた場合、会社に何があっても出資額以上に責任を問われることはありません(有限責任と言われます)。
取締役として考えた場合でも会社が債務超過になったからといって、取締役が個人の財産を投じて弁済する必要はありません。
その点、事業者が債権者に対して支払いができなくなった場合に、出資者個人が私財を投じて弁済する責任がある(無限責任と言われます)個人事業者や、合名会社、合資会社の無限責任社員とは異なるのです。


役員報酬を決める


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2010年3月期から上場企業に対し、年間1億円以上の報酬を受けた役員の氏名と個別の報酬額等の開示を義務付けられ、6月の株主総会は世間の大きな注目を集め、話題になりました。
賛否両論さまざまのようですね。
ということで、今回は会社の役員報酬の決め方についてふれたいと思います。

◆役員報酬の決め方

役員報酬の基本的ルールとして、いったん報酬額を決定したら1年間は毎月同額を支給しなければなりません。
変更のタイミングとしては期首から3カ月以内の改定となります。

会社の業績が良くて利益が出たからといって期中に役員報酬を増額したとしても、増額分は損金として認められませんし、逆に減額しても減額後の報酬を超過した分が、損金として認められません。
これを認めてしまうと利益操作が自由に行われてしまうからです。

このようにいったん決めた役員報酬は原則として期中で変更することはできません。
報酬額を高めに設定してしまうと資金繰りが悪化したときに、いったん「未払金」等で計上して、後に資金が調達できたときに、あらかじめ決まった額を支払わなければなりません。
報酬額が低すぎても、利益が出たときに税金が高くなりますし、モチベーションの問題にも関わります。
従いまして役員報酬を決めるためには、入念な事業計画や売上予測等を見積もった上、慎重に検討することが必要になるのです。


会社設立と消費税


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にわかに消費税問題が騒がしくなってきているようです。
その是非はともかくとして、今回は会社設立時に知っておくべき消費税に焦点を絞ってみたいと思います。

ご存じ消費税のしくみは、105円(本体価格100円+消費税5円)で商品を仕入れたものを210円(本体価格200円+消費税10円)で売った場合に、預かった消費税10円から仕入時に支払った消費税5円を引いた残額5円を、税務署に納める計算になります。

ただし、課税売上高が1000万円を超えない小規模な事業者は、消費税の納税義務が免除されています。

免税業者の場合、税務署に納めるべき消費税が、利益となって事業者の手元に残るわけですから、これは大きなメリットになります。
1000万円を超えたかどうかは今期の売上高ではなく2期前の売上高で判定されます。
したがって新規に会社を設立した場合、当然ですが、2期前の売上高はゼロ円ということになりますから会社設立から2期目までは消費税の納税が免除されるることになります。

ただし、会社の資本金が1000万円以上の場合は、たとえ売上高が1000万円に満たない場合であっても1期目から消費税の申告・納税が必要となりますので注意が必要です。


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