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【労務管理】健康保険の「資格情報のお知らせ」が郵送されます


2024年12月2日からマイナ保険証へ

2024年12月2日から、いまの健康保険証は新規で発行されなくなり、マイナ保険証に移行されます

いま使っている健康保険証

いま使っている健康保険証は、退職等で資格喪失をしない限り、2025年12月1日まで使用できます

※2025年12月1日までに退職等をした場合、保険証は会社へ返納してください。
※2025年12月2日以降は、保険証を自分で破棄してもOKです。

マイナ保険証

マイナンバーカードを医療機関・薬局で健康保険証として利用するもので、利用するときは顔認証付きカードリーダーで受付します。

医療機関・薬局で、直近の資格情報等を確認することができるため、
医療費が高額な場合に申請する「限度額適用認定証」が要らなくなり、高齢受給者証の持参も要らなくなります。

資格情報のお知らせと加入者情報が事業主に郵送されます

こうした保険証の制度変更を背景に、加入者へ資格情報の確認とお知らせのため、書類が特定記録郵便で送られてくるようです。
書類が届いたら、事業主や担当者は従業員本人に必ず渡してください。

送付対象者加入者全員
送付時期1回目 2024年9月9日(月)~2024年9月30日(月)
2回目 2025年1月22日(水)~2025年2月3日(月)
※1回目と2回目の違いは社保加入の時期など

資格情報のお知らせとは

紙製のもので、保険証の記号・番号や保険加入者の氏名・生年月日等が記載されているものです。
オンライン資格確認システムが導入されていない医療機関等で受信するときに、マイナ保険証と合わせることで受診できます。
※資格情報のお知らせのみでは受診はできません。

また、健康保険の各種給付金等を申請するとき、保険証の記号・番号を参照するためにも使います。

イメージ図は協会けんぽの説明資料から

保険証の記号・番号や保険加入者の氏名・生年月日等が記載されているものです。
オンライン資格確認システムが導入されていない医療機関等で受信するときに、マイナ保険証と合わせることで受診できます。
※資格情報のお知らせのみでは受診はできません。

健康保険の各種給付金等を申請するとき、保険証の記号・番号を参照するためにも使います。

また、マイナンバーの紐づけができていない方については、マイナンバーの提出をお願いするための申出書が同封されるようです。

マイナ保険証を使わずに保険診療を受けたいときに使う「資格確認書」

マイナンバーカードを持っていない、またはマイナ利用登録をしていない方については、協会けんぽから「資格確認書」の発行を受けることができます。

資格確認書は、協会けんぽが必要と判断した場合に発行されます。プラスチックのカード型で、いまの健康保険証と同様です。

有効期限があり、4~5年です。
限度額適用認定証の発行手続きや、高齢受給者証の提示が別途必要となります。
発行と使用開始は2024年12月2日です。

既存加入者2025年12月2日以降の発行マイナ保険証を持っていない方や、マイナンバーが未登録の方などに、協会けんぽが必要と判断した場合に発行
新規加入者2024年12月2日以降 の発行 資格取得届などによる本人からの申請に基づいて発行
新規加入時に申請がなかった場合、申請によらず資格確認書を協会けんぽが発行するが相当な期間を要する
資格確認書のイメージ。イメージ図は協会けんぽの説明資料から

2024年12月以降の健康保険の手続きの流れ

さて、保険証の発行がなくなったから従業員を雇い入れたときの手続きもなくなったのかな・・?と言ったら全くそうではないのでご注意ください。
いままでと同じように「資格取得届」や「被扶養者異動届」の手続きが必要です。

2024年12月2日以降は、保険証が発行されない代わりに「資格情報のお知らせ」が事業主に交付されます。
事業主は、「資格情報のお知らせ」を被保険者に渡してください。
退職等の際、「資格情報のお知らせ」の返納は不要です。

厚生労働省のホームページ『出産なび』が開設されました


【地域やサービスの条件を設定して、分娩を扱う施設を検索することができます】

2024年5月30日にウェブサイトが開設されました。

『出産なび』はこちら

出産する施設に対する様々なニーズ、出産にかかる費用も地域や施設によってばらつきがあり、施設選びの際にそれぞれの施設の情報を1つ1つ調べるのは簡単ではありませんでした。
このため、妊婦やご家族のみなさんがあらかじめ費用やサービスの情報を踏まえて適切に出産する施設を選択できるよう、全国の分娩を取り扱う施設ごとのサービス内容や出産費用の状況などを厚生労働省のウェブサイトで公表することとなりました。地域やサービスの条件を設定して、分娩を扱う施設を検索することができます。

【助成金】両立支援等助成金(令和6年度)


参考:【助成金】【男性労働者が育児休業を取得するともらえる助成金があります】

助成金の背景と目的

急速に進む少子高齢化を背景に、政府は育児休業取得率の向上と介護離職を防止して、労働者が仕事と育児・介護を両立して働き続けられる環境を整備する取り組みを進めています。

両立支援等助成金の目的は、労働者が働き続けながら子育てや介護等ができることで継続して雇用され、雇用が安定することです。

労働者が仕事と育児・介護等の両立をするには、職場で引継ぎや復職の体制が整っていないとなかなか難しいですが、そういった就業環境の整備をする事業主に対して助成金が支給されます。

両立支援等助成金のコース

令和6年度の両立支援等助成金は6つのコースが用意されています。

(1)出生時両立支援コース

『男性労働者』が育児休業を取得しやすい雇用環境整備・業務体制整備を行い、子の出生後8週以内に育児休業を利用させると支給される助成金です。

第1種(男性の育児休業取得)

・男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置(雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施、育児休業に関する相談体制の整備など)を複数実施し、さらに
・ 育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直し(業務の整理、引継ぎ)などが含まれた規定等を作成して業務体制の整備を行い、さらに
・ 産後8週間以内に育児休業を開始させて連続5日以上(2人目10日以上、3人目14日以上)取得させた場合

1人目…20万円(雇用環境整備の措置4つ以上で30万円)
2人目と3人目…10万円

第2種(男性育休取得率の上昇等)

・第1種を受給した事業主が、第1種で申請した労働者のほかに育児休業を取得した男性労働者が2名以上いる場合で、かつ
・第1種を受給した事業年度と比較して、男性育休取得率を3年以内に30ポイント以上上昇させた場合等

1年以内に達成:60万円
2年以内に達成:40万円
3年以内に達成:20万円

(2)育児休業等支援コース

育児休業の円滑な取得・復帰支援の取り組みを行い、労働者(男女問わず)が「育休復帰支援プラン」に基づいて3か月以上の育休を取得して復帰した場合に支給される助成金です。

※育休復帰支援プラン
事業主が作成するもので、「育児休業の取得」及び「育児休業終了後の職場復帰」を円滑にするための措置を定めた計画のこと。業務の整理、引継ぎ、業務情報や資料提供等の措置。

対象者は無期雇用者、有期雇用労働者で各1人(計2人)のみ。

➀育休取得時
プランに基づいて3か月以上の休業を取得…30万円

②職場復帰時
育休から復帰後、6か月以上継続雇用…30万円

(3)育休中等業務代替支援コース

①育児休業中の手当支給・・・最大125万円

育休取得者または業務代替者の業務の見直し・効率化をはかり、

代替業務に対応した賃金制度(業務代替手当など)を就業規則等に規定し、

一定の賃金を支給させた場合に支給される助成金です。

育休対象者には7日以上の育休を取得させて、育休終了後、原則として原職に復帰させる必要があります。

・業務体制整備経費:5万円(育休1月未満等の場合は2万円)
・業務代替手当:支給額の3/4 ※上限10万円/月、12か月まで

その他、育児休業の取得者が一定の要件を満たす有期雇用労働者である場合、10万円が加算されます。

②育短勤務中の手当支給・・・最大110万円

短時間勤務になる労働者または業務代替者の業務の見直し・効率化をはかり、

代替業務に対応した賃金制度(業務代替手当など)を就業規則等に規定し、

業 一定の賃金を支給させた場合に支給される助成金です。

『3歳未満の子どもを養育する労働者』に、1か月以上短時間勤務制度を利用させる必要があります。

・業務体制整備経費:2万円
・業務代替手当:支給額の3/4 ※上限3万円/月、子が3歳になるまで

その他、育児休業の取得者が一定の要件を満たす有期雇用労働者である場合、10万円が加算されます。

③育児休業中の新規雇用・・・最大67.5万円

育休取得者の業務を代替する労働者を新たに雇用(派遣労働者も含む)した場合に支給される助成金です。

育休対象者には 7日以上の育休を取得させて、育休終了後、原則として原職に復帰させる必要があります。

・最短:7日以上:9万円
・最長:6か月以上:67.5万円

※①~③合計で1年度10人まで、初回から5年間
※プラチナくるみん認定を受けている場合は増額あり

(4)柔軟な働き方選択制度等支援コース

育児期の柔軟な働き方に関する制度等を導入した上で、「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」により制度の利用者を支援した場合に支給される助成金です。

『子が3歳以降小学校就学前までの労働者』の柔軟な働き方を可能とする制度を2つ以上導入し、利用実績があることが要件となります。

1.始業時刻等の変更
フレックスタイム制度、 時差出勤制度

2.育児のためのテレワーク等

3.短時間勤務制度

4.保育サービスの手配及び費用補助

5.子を養育するための有給休暇制度
子の養育を容易にするための休暇制度、法を上回る子の看護休暇制度

制度利用者1人当たり20万円 (制度を2つ導入)

制度利用者1人当たり25万円(制度3つ以上導入)

※1年度5人まで

(5)介護離職防止支援コース

「介護支援プラン」に基づいて、円滑な介護休業の取得・復帰や、介護のための柔軟な就労形態の制度を利用することを支援した場合に支給される助成金です。

要介護状態の家族を介護する労働者のために有給休暇取得のための取組を行い、介護支援プラン(業務の整理、引継ぎ等)に基づいて合計5日以上の介護休業を取得させて原職に復帰させる必要があります。

①介護休業:介護支援プランに基づき、介護休業取得者が出た場合又は職場復帰した者が出た場合

・休業取得時30万円
・職場復帰時30万円

②介護両立支援制度:介護支援プランに基づき、仕事と介護との両立に資する制度利用者が出た場合

介護支援プラン(業務の整理、引継ぎ等)に基づき、1年以内に合計20日間以上、次の制度を利用させる。
・所定外労働の制限制度
・時差出勤制度
・深夜業の制限制度
・短時間勤務制度
・介護のための在宅勤務制度
・介護休暇制度
・介護のためのフレックスタイム制度
・介護サービス費用補助制度

介護両立支援制度30万円

※休業、両立支援制度それぞれで1年度5人まで

その他、代替要員の新規雇用(派遣を含む)や手当支給等を行った場合や、個別周知・環境整備をすることによる加算があります。

(6)不妊治療両立支援コース

不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度を利用しやすい環境への整備に取り組み、労働者が制度を計5日以上利用した場合に支給される助成金です。

・所定外労働制限制度
・時差出勤制度
・短時間勤務制度
・フレックスタイム制
・テレワーク

環境整備をして休暇の取得等した場合・・・30万円
長期休暇(20日以上連続)をした場合・・・30万円加算

その他

上記のほか、コースによって「両立支援のひろば」に情報公開をしたりプラチナくるみん認定事業主であったりすると加算される加算措置があります。

助成金の申請にあたっては、支給要件や不支給要件が別途細かく定められています。
申請の際は厚生労働省HPで確認できる支給要件をよくお読みください。


弊社に申請のご依頼を希望される場合はお問合せください。

【労務管理】懲戒処分について


従業員が企業秩序を乱すなどの違反行為をした場合、制裁として『懲戒処分』をすることができます。

懲戒処分は就業規則に則って行う必要があるため、就業規則に懲戒内容をあらかじめ規定して周知しておく必要があります。

  • 就業規則に懲戒規定を設けていないときにした労働者の行為に対して、さかのぼって懲戒処分をすることはできません。
  • 1回の懲戒事由に該当する行為に対しては1回しか懲戒処分を行うことはできません。
  • 制裁の種類及び程度に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項です。
    (相対的必要記載事項⇒定める場合には必ず記載しなければいけない事項のこと)

懲戒処分の種類

懲戒処分は主に5種類あります。

  1. 戒告・けん責
    懲戒処分の種類の中では一番軽い処分です。
    戒告(かいこく)は将来を戒める処分のことで、口頭注意や文書による注意です。始末書の提出は求めません。
    けん責(けんせき)とは始末書を提出させて将来を戒める処分をいいます。

  2. 減給
    賃金から一定額を控除する処分です。
    労働基準法第91条で、減給できる額は1回の額が平均賃金の1日分の半額以内、総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1以内と定められています。
    「総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1以内」というのは、一賃金支払期の中で何回も減給する事案が起きても、減給の合計額はその一賃金支払期に支払われる賃金総額の10分の1までという意味です。
    控除しきれなかった分を翌月以降に繰り越すことは認められます。

    労働基準法で定められた範囲内で就業規則に減給の計算方法を定め、規則に従って減給をします。

  3. 出勤停止
    一定期間の出勤を停止し、その間の賃金は支給しないという処分です。
    あまりにも長期の出勤停止となると労働者が生活に困るため、行政指導として7日以内が目安になっています。

  4. 諭旨退職
    本来は懲戒解雇にするところ、本人が反省していることなどを理由として懲戒解雇を猶予し、自主的に退職願を提出するよう勧告する処分です。

  5. 懲戒解雇
    一番重い処分です。
    所轄労働基準監督署長の認定を受けると解雇予告手当を支給しないことが認められます。

    解雇にあたっては解雇権濫用法理(使用者による労働者の解雇は、合理的理由を欠き、社会通念上相当性を欠く場合には解雇権の濫用として許されないとする理論)に気を付けることはもちろん、事実調査、本人に弁明の機会を与えること、懲戒解雇の通知が必要となり、特に慎重に進める必要があります。

懲戒事由

懲戒事由については、労働基準法に決まりはありません。

労働契約法では次のように定められています。

(懲戒)
第十五条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

e-Gov 労働契約法 より
  • 懲戒をしようとする労働者の行為の「性質」及び「態様」「その他の事情」をみて
  • 客観的に合理的な理由があるか
  • 社会通念上相当であるか

を検討する必要があります。

そして、いずれの懲戒処分をする場合も、就業規則に記載されている理由に則って適切な程度で処分をすることが求められます。
就業規則に記載されていない理由で処分をすることは懲戒権の濫用となってしまいます。

※最高裁判決(国鉄札幌運転区事件 最高裁第3小法廷判決昭和54年10月30日)において、使用者は規則や指示・命令に違反する労働者に対しては、「規則の定めるところ」により懲戒処分をなし得ると述べられています。

また、規律違反の程度に応じて、過去の同じような事例のときの処分内容等を考慮して公正な処分を行う必要もあります。

労働者が遅刻や早退をした場合の賃金控除

労働者が遅刻や早退をした場合で、その時間について給与を支給しないことは減給の処分になりません。
(働いていない分については賃金債権が生じないため)

しかし、 働いていない分を超えて賃金を支給をしないような場合は減給の制裁とみなされます。
たとえば15分遅刻したことに対して1時間の賃金を支給しないような社内ルールになっている場合、減給の制裁をしていることになりますので注意してください。

 

【助成金】【男性労働者が育児休業を取得するともらえる助成金があります】


【令和6年度から対象者が1人から3人へ拡充】

近年、育児休業を取得する男性労働者が増えています。2023年に政府が発表した男性の育児休業取得率は17.13%でした。数字は上昇傾向にあり、政府は男性育休取得割合を2025年には50%を目標にするなど男性の育児休業取得は、今後も増加していくと思われます。会社としても男性の育児休業取得に対しての理解・対応方法、を考える時期にきていると言えます。

男性が育児休業を取得するともらえる助成金があるのをご存知でしょうか?

仕事と育児・介護の両立支援を応援する『両立支援等助成金』という助成金があります。
両立支援等助成金には介護・育児について6つのコースがあり、育児・介護を取得促進する会社を応援する助成金です。
厚生労働省の両立支援助成金についての詳細ページはこちらです。

今回ご紹介するのは
『出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)』です。
こちらは簡単に言うと、男性労働者が5日以上の育児休業を取得した場合に20万円助成金が支給されるものです。
以前は対象労働者が1人でしたが、令和6年度からは3人まで拡充となりました。ただし、2人目・3人目の支給額は10万円になります。


支給要件は育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得した男性労働者が生じた事業主に支給されます。

代替労働者の確保が一番の課題と言える育児休業ですが、取得促進するメリットもあります。
男性育児休業を取得することで、業務の見直し、分配、効率化などを見える化していくことにより生産性の向上・業務自体の発展も望まれます。育児休業を取得できる会社という事で、社内風土の改善、従業員のモチベーションアップや離職率の低下、新規・中途採用応募人材の増加等の調査結果も出ています。
これから男性の育児休業取得増加を見据えて、ご興味がある事業主の方々は助成金申請を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

社労士診断認証制度


2024/4/10更新

社労士診断認証制度とは、全国社会保険労務士会連合会が行っている『労務コンプライアンスや働き方改革に取組む企業を支援するための制度』です。

社会保険労務士が企業を診断し、連合会から認証マークが発行されます。
※一部は自社でセルフ診断が可能です。

社労士診断認証のメリット

認証を受けた企業は、『労働社会保険諸法令の遵守・職場環境の改善・企業経営の健全化を進めている』ことを内外にアピールできます。

  • 自社の取組みの見える化
  • 企業の信頼性の向上
  • 求職者への強いアピール

などに繋げることが期待できます。

社労士診断認証制度の診断内容

診断する項目は次のようなものです。

  • 適正な労働時間管理
  • 長時間労働削減の取り組み
  • 賃金の適正な支給
  • 年次有給休暇の管理と適正な利用
  • ハラスメント対策
  • 女性活躍の推進
  • 労働条件や内容の書面化
  • 就業規則の届け出
  • 職場のルール化
  • 時間外勤務などの労使協定の締結
  • 正規非正規の格差是正の取り組み
  • 育児・介護休業の適正な運用
  • 仕事と治療・介護の両立
  • 健康診断の実施
  • 適正な外国人雇用
  • 高齢者雇用の取り組み

認証マークの種類

認証は3種類あります。

職場環境改善宣言企業

職場環境の改善に取組む企業がWEBから申請し、企業自らが「 職場環境を改善する宣言」をすることができます。


事務局にて確認・承認手続き後、 全国社会保険労務士会連合会からマークが付与されます。また、認証企業として社労士認証制度の企業情報サイトに掲載されます。


社労士にご依頼いただいて登録手続きを行うこともできます。

  • 確認項目
    • 就業規則
    • 労働時間管理
    • 年次有給休暇
    • 賃金
    • 健康診断
    • 労働条件
    • 仕事と治療の両立
    • 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
    • 女性活躍推進
    • 高齢者雇用
    • 外国人雇用
    • 障害者雇用

経営労務診断実施企業

「職場環境改善宣言」を行なった企業が行える診断で、「経営労務診断基準」に基づいて社労士に確認を受けます。
「経営労務診断」は、原則として毎年実施していただきます。年1回の企業の健康診断とも⾔うべきものです。

社労士から確認を受けて 事務局にて確認・承認手続き後、 全国社会保険労務士会連合会からマークを付与されて社労士認証制度の企業情報サイトにマーク情報が掲載されます。

  • 確認項目
    • 労務管理関連規程の整備
    • 労務関連管理体制
    • 帳簿等の調製、保管
    • 労働保険・社会保険

経営労務診断適合企業

「職場環境改善宣言」を行なった企業が「経営労務診断基準」に基づいて社労士に確認を受け、『「経営労務診断基準」の必須項目のすべてが適正』と認められた場合、全国社会保険労務士会連合会から認定されます。


社労士認証制度の企業情報サイトにマーク情報と各項目の調査結果が掲載されます。

認証マークの取得方法

職場環境改善宣言企業 セルフ診断と、社会保険労務士に診断を依頼する方法があります。

セルフ診断はこちらから
弊社にご依頼いただく場合はこちらから
経営労務診断実施企業 職場環境改善宣言をした企業に、 社会保険労務士が診断を行います。
「経営労務診断」は、原則として毎年実施していただきます。年1回の企業の健康診断とも⾔うべきものです。

弊社にご依頼いただく場合はこちらから
経営労務診断適合企業 「経営労務診断基準」の『必須項目のすべてが適正』と認められた場合、全国社会保険労務士会連合会から手企業企業として認定されます。

認証制度の活用法

診断をとおして職場環境を見直して整えていくことは、従業員の働きやすさを向上し、従業員の定着率アップや採用活動の際の企業アピールにもなると思います。

認証マークはリクルートサイトへの貼付、会社案内・名刺への掲載、求人広告への記載、企業PRページの掲載などに活用ができますので、ぜひ診断を受けることをご検討ください。

社労士診断認証制度については弊社にご依頼ください

弊社と顧問契約をしている場合スポットのご依頼
職場環境改善宣言企業 無料20,000円(税抜)
経営労務診断実施企業 50,000円(税抜)100,000円(税抜)
経営労務診断適合企業 100,000円(税抜)200,000円(税抜)

【労務管理】無期転換申込権が発生する有期労働契約更新時の明示義務


令和6年4月から、無期転換権が発生する有期労働契約を結ぶとき、使用者は労働者に対して次のことを伝えなければいけません。

【参考】2023/11/01掲載 【労務管理】2024年4月から労働条件明示が変更・無期転換ルールについて 

  1. 無期転換を申し込むことができることを伝える
  2. 無期転換後の労働条件を書面で明示する 

たとえ労働者が「無期転換はしません」と言ってきたとしても、法律上義務になっているので明示する必要があります。

そもそも無期転換申込権とは・・

対象者期間の定めがある雇用契約を結んでいる労働者
権利がある期間契約期間が通算して5年を超える雇用契約を結んだとき、その契約期間の初日から末日までの間
内容自身の雇用契約を【期間の定めがある契約】から【期間の定めがない契約】に変更することを依頼する権利

労働者が無期転換を申し込むと、使用者は申込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約がその時点で成立します。使用者は申し出を拒否することはできません。
無期労働契約に転換されるのは、申込時の有期労働契約が終了する日の翌日からです。

労働条件通知書の書き方

厚生労働省のHPに労働条件通知書のひな形がありますが、令和6年4月1日以降の様式(一般労働者用;常用、有期雇用型)には次の内容が追記されています。

明示義務に漏れがないようにひな形が変更されていて助かりますね。
漏れなく記入できれば問題ありませんが、表現がちょっと難しいと思うので、できるだけ平たく説明してみます。

更新上限の有無とは

更新上限とは、 有期労働契約の「通算契約期間」または「更新回数」の『上限』のことを指しています。

「契約更新しても合計で〇年(△回)までですよ」ということです。

使用者は、令和6年4月1日以降の有期労働契約については、更新上限がある場合はその内容を書面で明示しなければいけません。有期労働契約は、何度か更新することがあると思いますが、契約締結の当初だけではなくて、更新のたびに明示が必要になります。

例えば、次のような記載が考えられます。

・更新上限の有無( 無 )

・更新上限の有無( 有(更新10回まで/ 今回の契約は更新2回目))

・更新上限の有無( 有(通算契約期間5年まで/ 今回の契約末日時点で、通算契約期間3年6カ月))

労働契約法に定める同一の企業との間での通算契約期間が5年を超える有期労働契約の締結の場合とは

労働契約法に定める同一の企業との間での通算契約期間が5年を超える有期労働契約の締結の場合とは 、次の有期労働契約を締結する場合のことを指しています。

誰が期間の定めがある雇用契約を結んでいる人(いわゆる契約社員)
何をしたとき 同じ勤務先で「最初に有期雇用契約で入社した日」から「今回の雇用契約期間の末日まで」の期間を数えると、5年を超えるとき

(例)1回の雇用契約期間が3年の契約社員が更新する場合

最初の雇用契約 R2年4月1日~R5年3月31日
今回の雇用契約 R5年4月1日~R8年3月31日

最初に入社した日 R2年4月1日
今回の雇用契約期間の末日 R8年3月31日

⇒通算すると6年
⇒【通算契約期間が5年を超える有期労働契約の締結】に該当

該当した場合は、次のことが必要になります。

  1. 無期転換を申し込むことができることを伝えて
  2. 無期転換後の労働条件を書面で明示 

上の(例)の場合ですと、労働条件通知書の内容を次のように書くようになります。

本契約期間中に会社に対して期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをすることにより、本契約期間の末日の翌日(R8年4月1日)から、無期労働契約での雇用に転換することができる。

無期転換後の労働条件を書面で明示とは

『無期転換後の労働条件を書面で明示する』ですが、これは勤務先がどのように定めているかによります。

そもそも「『無期転換=期間定めがない契約』って『正社員になる』ってことなんじゃないの?」と思う方も多いと思います。
それがそうとも限らないのです。ややこしいですよね。

『期間の定めがある契約社員』と『期間の定めがない契約社員』と『正社員』と、それぞれ職務内容や職責などに応じて給与や手当を異なるものに定めることは、勤務先(会社)の定め方によります。
まだ定めていない事業所で、該当する人がでてきそうな場合は速やかに決める必要があります。すぐに該当する方がいなくても、有期契約労働者がいる事業所では、将来にわたっての人材活用を考える上で無期転換をした後の待遇を決めておくことは重要なことだと思います。

この場合の本契約からの労働条件の変更の有無( 無 ・ 有(別紙のとおり) )

労働条件通知書には、『期間の定めがある雇用契約』と『無期転換後の雇用契約』で労働条件に違いがあるかどうかを記載してください。

別紙は、就業規則があれば該当ページを比較できるようそれぞれ用意すればいいと思いますし、就業規則の作成義務がないところであれば比較できる書面を用意すると良いと思います。

また、無期転換後の労働条件について、正社員等のフルタイム労働者との均衡を考慮した点を説明する努力も求められます。
無期雇用フルタイム労働者は、同一労働同一賃金で正社員との間の不合理な待遇差の解消を目指す対象に含まれませんが、従業員に長く働いてもらうためにも待遇についての均衡をきちんと考え、説明できるようにしておくのは大切です。

有期雇用特別措置法による特例とは

有期雇用特別措置法による特例とは、簡単にいうと「無期転換ルールが適用されない特例」のことです。

特例の対象者になるのは、次のどちらかです。


  1. 「5年を超える一定の期間内に完了する業務」に就く高度の専門知識等を有する年収1,075万円以上の有期雇用労働者(高度専門職)
  2. 定年に達した後、引き続き雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)

※高度専門職は、次のいずれかにあてはまる方が該当します。

  1. 博士の学位を有する者
  2. 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士
  3. ITストラテジスト、システムアナリスト、アクチュアリーの資格試験に合格している者
  4. 特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者
  5. 大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を有する農林水産業・鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、システムエンジニアまたはデザイナー
  6. システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタント
  7. 国等(※)によって知識等が優れたものであると認定され、上記①から⑥までに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者(※)国、地方公共団体、一般社団法人または一般財団法人その他これらに準ずるものをいいます。

※次の場合は「継続雇用の高齢者」にならず、特例の対象にならないので注意してください。

  • A事業場で定年退職した後、B事業場で新たに有期労働契約で雇用された労働者
  • 定年に達しない時点で無期労働契約から有期労働契約に転換した労働者 

特例の対象となるには、事業主が雇用管理措置の計画を作成して提出し、都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。

労働条件通知書には、特措法の認定を受けている場合、該当する内容に応じて記入するようになります。

【有期雇用特別措置法による特例の対象者の場合】
無期転換申込権が発生しない期間: Ⅰ(高度専門)・Ⅱ(定年後の高齢者)
Ⅰ 特定有期業務の開始から完了までの期間(   年  か月(上限10年))
Ⅱ 定年後引き続いて雇用されている期間

【労務管理】労働条件通知書に休職に関する事項は載せていますか?


口頭でも良いが、忘れない為に記載をおすすめします。

令和6年4月から労働条件明示に関する法律が改正され、雇用契約書・労働条件通知書に記載すべき事が改正されます。
今回のお話は改正に直接は関係ありませんが、通知書に関係するお話になります。
労働基準法では、労働契約締結時に書面で明示すべきもの、口頭の説明でも良いもの、の2種類があります。
【休職に関する事項】は会社に規定がある場合に口頭での説明でも良い事になっています。
労働者との契約締結時に『弊社には休職制度が就業規則の〇条に記載があるので、一読しておいてください。』
と口頭で伝える必要があり、就業規則の〇条に記載と詳細に伝える必要があります。就業規則にあるだけでは説明不足です。

近年、メンタルヘルス等の精神的な病により長期休業を取る方が増えています。
休業〇ヶ月を過ぎても復職が出来ない場合は、自然退職とするといった規定を作成している会社様も多いと思います。
いざ、その規定を労働者に伝えた際に、聞いていない、知らなかったという事での労使間トラブルが増加しています。
防止策として、労働条件締結時にきちんと伝えることが第一で、先述した通り、口頭でも良いのですが伝え忘れないためにも雇用契約書・労働条件通知書に記載をしておくことをお勧めいたします。

今回の労働条件明示の改正に合わせてこちらもご確認してみてはいかがでしょうか。

【労務管理】地域別最低賃金の適用場所


地域別最低賃金とは

地域別最低賃金は、最低賃金法で定められている労働者の時間当たり賃金の最低金額です。

最低賃金法

(目的)

第一条 この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

地域別最低賃金は、その地域における労働者の生活費や賃金、通常の事業の賃金支払能力などを考慮して定められています。
そして、産業や職種、雇用形態(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など)に関わりなく、その地域で働くすべての労働者に適用されます。

最低賃金法

(地域別最低賃金の原則)

第九条 賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。以下同じ。)は、あまねく全国各地域について決定されなければならない。
2 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。
3 前項の労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合

最低賃金を支払わない場合、罰則が定められています。

地域別最低銀額以上の賃金を支払わない場合最低賃金法により50万円以下の罰金
特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合労働基準法第120条により30万円以下の罰金
※特定(産業別)最低賃金…特定の産業ごとに設定されている最低賃金で、産業の労使が「地域別最低賃金」よりも高い水準で最低賃金を定めることが必要と認めた場合に設定されます。
 

地域別最低賃金の全国一覧

地域別最低賃金は厚生労働省HPで確認できます。例年、だいたい10月に改定になります。

厚生労働省HP 令和5年度地域別最低賃金改定状況 から抜粋

最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。


最低賃金額以上かどうかを確認するとき、次の手当は除いて確認します。
「6.精皆勤手当」を除外する点が残業代を計算するときの割り増し基礎単価と異なり、注意が必要です。

最低賃金額を確認するときに除外する手当

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

地域別最低賃金はどの地域で判定されるか

地域別最低賃金が適用される「事業場」の適用範囲は、労働基準法における考え方と同一です。

(労働基準法第9条)

この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

一つの事業場かどうかは、場所的観念(同じ場所か離れた場所か)によって決まります。
同じの場所にあるものは原則として一つの事業場とし、場所が違うものは原則として別の事業場とされます。

例外ですが、場所が異なっていても、『就労先の規模が著しく小さくて独立性がなく、組織的な関連や事務能力などを考えると一つの事業場といえない程度の規模』のものは、直近上位の機構と一括して一つの事業場として取り扱うとされています。

参考通達:平成11年3月31日基発第168号通達、昭和47年9月18日発基第91号通達の第2の3「事業場の範囲」(労働安全衛生法解釈通達)

例としてあげられるのが、新聞社の通信部、駅の売店、ビルメンテナンス業における作業現場等です。

『完全在宅勤務』の場合の最低賃金

最近ですと、『完全在宅勤務』の勤務形態も珍しくありません。

勤務場所(自宅)が青森県内であっても、労働者が所属する直近上位の支店が東京都内にあれば、東京都の最低賃金が適用されることになります。

【労務管理】自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)


自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件」(令和4年厚生労働省告示第367号)により改正され、令和6年4月1日から適用されます。

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)とは

トラックなど自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図るため、業務の特性を踏まえて、労働基準法では規制が難しい次の内容を大臣告示として平成元年に定めたものです。


労働基準法では「労働時間」や「休憩時間」を定めていますが、改善基準告示では主に次の内容を定めています。

 拘束時間   始業から終業までのすべての時間。
休憩や仮眠時間を含みます。
 休息期間  終業してから次の始業までの間。
勤務と勤務の間の自由な時間で、労働者にとって全く自由な時間です。
 運転時間 運転している時間。
 連続運転時間  連続して運転している時間。
※図は厚生労働省労働基準局 トラック運転者の労働時間等の改善基準ポイントから抜粋

改善基準告示の対象者

改善基準告示の対象者は、労働基準法第9条にいう労働者であって、四輪以上の自動車の運転業務を主にする人です。

  • 労働者のうち、同居の親族のみを使用する事業または事業所に使用される者および家事使用人は除きます。
  • 個人事業主は、労働基準法での労働者ではないので直接の対象とはなりません。しかし、国土交通大臣が旅客自動者運送事業者や貨物自動車運送事業者への勤務時間や乗務時間の告示を定めており、その基準で改善基準告示が引用されているので、実質的に改善基準告示の順守が求められています。

自動車の運転の業務を主にしているかどうか

自動車の運転の業務を主にしているかどうかは、個別に実態に応じての判断されます。
物や人を運搬するために自動車を運転する時間が、実際に労働時間の半分を超えていることなどが判断要素となります。

また、運送を事業としてとして行っていなくても、

  • 工場などの製造業における配達部門の自動車運転者
  • 自家用自動車の自動車運転者

など、自動車運転者を労働者として使用していれば改善基準告示は適用されます。

改正の背景

厚生労働省島根労働局監督課が出している「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の改正内容(トラック)について」によると、トラック運転者は、全産業平均と比べて『年齢が高く』『実労働時間数が長く』『所定内給与額が低い』傾向にあります。

 

また、令和3年度の脳・心臓疾患の労災支給決定件数は、
道路貨物運送業32.5%、
貨物自動車運転者30.8%
と、業種別・職種別でそれぞれ最も高い結果でした。

 

脳・心臓疾患の労災認定基準では、労働時間と睡眠時間について重要な要件のひとつとして見ています。

これらの観点や、働き方改革における時間外労働の上限規制(年間960時間以内)をふまえて改正にいたりました。

改善基準告示の改正内容

トラック運転者

  • 1年、1カ月の拘束時間

1年の拘束時間は3,300時間以内、かつ、1カ月の拘束時間は284時間以内です。

≪例外≫

労使協定を結んだ場合は
・1年の拘束時間が3,400時間に収まる範囲内で
・1年のうち6カ月までは1か月の拘束時間を310時間まで
にできます。
ただし、1カ月の拘束時間が284時間を超える月は連続3カ月までです。

1カ月の時間外労働および休日労働の合計時間数は100時間未満になるよう努力しなければいけません。

  • 1日の拘束時間

1日(始業時刻から数えて24時間)の拘束時間は13時間以内が基本です。
延長する場合の上限は15時間で、14時間を超えるのは週2回までが目安です※。


1日の拘束時間が13時間を超えて延長する場合は、14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努める必要があります。
回数は週2回までが目安ですが、14時間を超える日が連続することは望ましくありません。

※一定の要件を満たす宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、週2回まで16時間まで延長ができます。

  • 1日の休息期間

休息期間(終業後、次の始業までの間)継続11時間以上与えるように努めることを基本として、継続9時間を下回ってはいけません
※一定の要件を満たす宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、週2回まで継続8時間以上とすることができます。

  • 運転時間

2日を平均して1日あたりの運転時間は9時間以内2週を平均して1週あたりの運転時間は44時間以内です。

  • 連続運転時間

連続運転時間は4時間以内です。

運転開始後4時間以内、または4時間を経過した直後に、30分以上は運転を中断する必要があります。
中断は、原則として休憩を与えなければいけません。

運転の中断は、1回がおおむね連続10分以上としたうえで分割することもできます。
1回が10分未満の運転の中断は、3回以上連続してはいけません。

  • 休日と休日労働の回数

休日は、休息期間に24時間を足した連続した時間を指します。
休息期間に24時間を足した時間(=休日)はどんな場合でも30時間を下回ってはいけません。

なお、休息期間は11時間が基本で9時間を下回ってはいけないので、
通常勤務の場合は継続33時間(24時間+9時間)を下回ることのないようにする必要があります。


休日労働は2週間に1回が限度で、休日労働によって拘束時間の上限を超えないようにする必要があります。

その他、車両の故障など予期しえない事象や、分割休憩・2人乗務・隔日勤務・フェリーの場合の特例などが定められています。

タクシー・ハイヤー運転者

≪日勤の場合≫

  • 1カ月の拘束時間

日勤勤務者の1か月の拘束時間は288時間以内です。

  • 1日の拘束時間

1日(始業時刻から24時間)の拘束時間は13時間以内とし、延長する場合でも上限は15時間です。
延長する回数は週3回までが目安です。

13時間を超えて延長する場合は、14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努めなければいけません。
また、14時間を超える日が連続することは望ましくありません。

  • 1日の休息期間

勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはいけません。

≪隔日勤務の場合≫

隔日勤務とは、始業と終業の時刻が同じ日にない業務をいいます。
深夜時間帯を含む2労働日の勤務を1勤務にまとめて行うもので、都市部を中心に広く採用されています。

  • 1カ月の拘束時間

隔日勤務者の1か月の拘束時間は262時間以内です。
※地域的その他特別な事情がある場合、労使協定により1年のうち6カ月までは1か月の拘束時間を270時間まで延長することができます。

  • 2暦日の拘束時間

22時間以内、かつ、2回の隔日勤務を平均して1回あたり21時間以内です。

  • 2暦日の休息期間

勤務終了後、継続24時間以上与えるよう努めることを基本とし、22時間を下回ってはいけません。

また、日勤勤務と隔日勤務を併用して頻繁に勤務態様を変えることは、労働者の生理的機能への影響を鑑みて認められません。

その他、車両の故障など予期しえない事象についての特例や、車庫待ち等の自動車運転者についての定め、累進歩合制度の廃止やハイヤーについての36協定のルール、 休日労働は2週間に1回が限度などが定められています。

バス運転者

  • 「1年・1カ月」または「52週・4週平均1週」

どちらかを選択します。

「1年・1カ月」の基準1年の拘束時間は3,300時間以内 かつ 
1カ月の拘束時間は281時間以内
※貸切バス等乗務者の場合は例外の規定があります。
「52週・4週平均1週」の基準 52週の拘束時間は3,300時間以内 かつ 
4週を平均した1週あたりの拘束時間は65時間以内
※貸切バス等乗務者の場合は例外の規定があります。
  • 1日の拘束時間

1日の拘束時間は13時間以内とし、延長する場合でも上限は15時間です。

延長する回数は週3回までが目安です。
13時間を超えて延長する場合は、14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努めなければいけません。
また、14時間を超える日が連続することは望ましくありません。

  • 1日の休息期間

勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回ってはいけません。

  • 運転時間

2日を平均した1日あたりの運転時間は9時間以内
4週間を平均した1週間あたりの運転時間は40時間以内です。

※貸切バス等乗務者の場合の例外があります。

  • 連続運転時間

連続運転時間は4時間以内です。

運転開始後4時間以内、または4時間経過直後に、30分以上は運転を中断して休憩等を確保しなければいけません。

運転の中断は、1回がおおむね連続10分以上としたうえで分割することもできます。

※高速バス・貸切バスの高速道路の実車運行区間の連続運転時間は、おおむね2時間までとするよう努める必要があります。

  • 休日労働

休日労働は2週間に1回が限度で、休日労働によって拘束時間の上限を超えないようにする必要があります。

その他、車両の故障など予期しえない事象や、分割休憩、2人乗務、隔日勤務、フェリーの場合の特例などが定められています。

 

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