【労使協定方式で地域指数を選択する際の留意点】
【派遣就業先の地域指数とは限りません】
労使協定方式の労働者派遣を行う場合、国が定める、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額に、地域指数を掛けた金額と同等以上の賃金を派遣労働者に支払う必要があります。
この地域指数は、必ずしも就業している派遣先場所にはなりませんので、注意が必要です。
労働局は地域指数の選択方法として派遣先事業場が、ある程度の事務的能力が必要とされていることから原則として派遣先会社の雇用保険の適用事業所の地域指数を利用するようにと言われます。
例えば茨城県にある派遣先就業場所で派遣労働者が働いていたとしても、茨城の派遣先会社の本社が東京にあり、手続き等の事務処理を東京本社で行っている際は、東京が雇用保険の適用事業所になり東京の地域指数を利用する、という事になります。
【「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」については、具体的には、工場、事務所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立していること、経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断することとなり、常に雇用保険の適用事業所と同一であるわけではない。また、協定対象派遣労働者が実際に就業する場所ではなく、例えば、派遣先の事業所が東京都にあるが、協定対象派遣労働者が実際に就業する場所が埼玉県である場合「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」は東京都である。 】
また、労使協定方式に関するQ&A(集約版)に下記の記載があります。
【労使協定Q&A】
問2-18 派遣元事業主が地域指数を選択する際、「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」は具体的にどのように判断すればよいか。
答 「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」については、工場、事務所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立していること、経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断することとなり、常に雇保険の適用事業所と同一であるわけではない。
上記の点から必ずしも雇用保険の適用事業所となるわけではないとされています。
ただし、派遣元会社は派遣先会社の就業場所が独立性や高度な事務能力があるかを判断することは不可能なため、派遣先会社に確認をすることになります。
通達にある【経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断】
Q&Aにある【経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること】
のある程度の、基準はどこから認められるのかを各都道府県の労働局に確認してみましたが、答えは労働局によって見解が異なり、具体的な線引きが出来ず、実態で判断するというのが労働局の答えでした。
派遣先から独立している事業場と聞いたから就業場所の地域指数を使用していたが、労働局の調査が入り、実際には派遣先就業場所が独立した事業場と認められない場合は、正しい地域指数により賃金額を計算し、不足がある場合には遡って賃金を労働者に支払う必要も出てきます。派遣先から独立性のある事業場と聞いていたので・・・と言っても通用しない事になりますので、慎重に判断することが必要です。
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